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同人誌のキホン④同人誌表紙印刷の種類と特徴が知りたい

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『同人誌のキホン』第4回は、同人誌の「顔」とも言える表紙の印刷方法、紙や色の選び方、用紙のサイズの考え方について解説します。

 

表紙には3種類あるよ!

 

表紙は、同人誌作りのなかで一番本と作者の個性が出る部分です。絵やデザインだけではなく、印刷方法や紙の選び方によって仕上がりに差が出ます。

印刷方法は3種類あり、「単色刷り(1色刷り)」「2色刷り」「フルカラー」に分かれます。

以前は単色<2色<フルカラーの順で高額になっていましたが、現在は印刷技術の向上により大きな差はありません。

 

それぞれの特色は以下の通りです。

 

①フルカラー

一般的にカラー表紙と呼ばれるタイプです。絵はペイントツールなどデジタルで塗ることが多くなっています。

 

 

②単色刷り

黒もしくは基本色と呼ばれる印刷会社が指定した色の中から好きな色を1色選び、その1色で刷る表紙。

文字のみの表紙やシンプルなデザインの表紙に向いている。比較的安い値段で刷ることができます。

 

 

③2色刷り

黒もしくは基本色の中から2つの色を選び、2色で刷る表紙。

フルカラーより手軽に、単色刷りより華やかな表紙を作ることができます。

 

 

単色刷りと2色刷りの表紙はこう作る!

 

<紙と色の選び方>
単色刷りや2色刷りの表紙では、紙の色と刷り色を同系色(ピンクの紙に赤いインク、水色の紙に青いインクなど)にするのが一般的ですが、ほかにも見栄えのいい配色はいろいろあります。赤や黄色など暖色系の紙に茶色の印刷色を使ってみたり、青や緑など寒色系の紙に少し赤みがかった色で刷ってみたり、黒い紙にメタル系のインクで刷ってみたり、グレー系の紙に寒色系で刷ってみたりとさまざまなバリエーションが考えられます。

 

紙は、印刷会社が配布している見本や画材屋の店頭で実物を見てから決めると、きれいな組み合わせができます。

 

■単色刷りの場合

単色刷りの表紙を作る場合は、「1色のみで刷られる絵」であることを念頭に置いて作業をします。原稿は白黒で作成し、デジタルデータで書き出すときの形式はグレースケールやモノクロ2階調にします。

■2色刷りの場合

基本的に単色刷りと作り方は同じですが、2つの色で刷るため、それぞれの色に分かれたデータや原稿を作成します。

 

デジタルデータで作成する場合は同じファイルに別々のレイヤーで作成できるため、色のズレを最小限に抑えることができます。レイヤーのプロパティで「黒の代替色」を選択し、印刷したい色を指定しておくと、仕上がりをより具体的にイメージしながら作ることができます。刷る色ごとに2つのファイルに書き出せば、簡単に2色分のデータを作ることができます。

 

 

 

イベントで本を頒布するとき机の上に置いて見栄えが良いのはやはりフルカラーですが、デザインと紙と刷り色を工夫すれば、単色刷りや2色刷りでも充分見栄えのよい表紙を作ることができます。単色刷りの表紙でもトーンやパターンブラシを使って、グレーの表現を加えることで微妙な色合いの違いを表現できます。

 

2色刷りの表紙は単色刷りに比べてもっと簡単に見栄えをよくすることができます。人物の色と背景の色を変更するだけでもメリハリのある、目をひく表紙を作ることができます。

 

 

POINT アナログでは大変な作業がデジタルでは簡単にできる!

アナログで2色刷りの原稿を作成する場合は、2つの色がズレないように2種類(2枚)の原稿を作る必要があります。そのため、ライトボックスなどで2枚の原稿を重ねて表示しながら線や色を塗っていきます。それでも、仕上がりを見るとズレていたり、予想通りにならないことが多くあります。

 

アナログでフルカラーの場合にも、使用するインクや絵の具によっては表紙用の原稿用紙になじまず、発色が思い通りにならないことがあります。また間違った色を載せてしまったら、修正液などで修正することもできません。

 

その点、デジタルで制作すると何度でもやり直すことができるうえ、レイヤーを重ねて描いておけば 2色刷りで色がズレる心配がないため、簡単に原稿を作成できます。

 

フルカラー印刷の種類と特徴

 

通常のカラー印刷(4色分解)

CMYKの4色で印刷したもの。最も一般的な印刷方法。レイヤーを多用した重ね塗りだと色がはっきりして表紙が映えます。

 

 

蛍光ピンク差し替え印刷(KP差し替え)
CMYKのM(マゼンタ)を蛍光ピンクに差し替えて印刷したもの。蛍光ピンクに差し替えると、肌色が鮮やかに発色されます。少し淡い色になるため水彩のような淡い塗ではとてもきれいな発色になります。ただし、マゼンタが蛍光ピンクに替わるためマゼンタの入った赤などは変色します。赤がオレンジに発色される可能性が高いのを念頭に入れておきましょう。

 

 

マゼンタ混合4色(KP+M)印刷

蛍光ピンクとマゼンタを印刷会社独自の製法で混合したインクを使って印刷したもの。通常印刷よりは鮮やかになります。独自のインクを使用しているのでそれぞれの印刷会社によって仕上がりの色に差があります。扱っている印刷会社も少数です。

 

5色印刷

CMYKの印刷に蛍光ピンクを足したもの。どちらのメリットも兼ね備えていて、鮮やかなうえにきれいな印刷が可能。つまり「赤を赤で発色したまま肌色がきれいに印刷できる!」という理想的な印刷方法。カラー印刷にこだわりたい方にオススメです。

 

印刷会社では4色分解が基本の印刷方式になり、蛍光ピンクや5色印刷などはオプション扱いになります。予算に余裕がある場合は、オプションの印刷に挑戦してみてもいいでしょう。

 

表紙の加工

 

PP 加工

ポリプロピレン加工の略で、本の表紙に薄いビニールのフィルムを貼り付ける加工のことです。表紙がツヤツヤした仕上がりになります。「マットPP」という種類は、ツヤがないフィルムを貼った加工です。最近ではホログラムのフィルムなども出ているので、バリエーションが豊富になっています。なお、特殊紙を使った表紙の場合は紙が凸凹しているため PP 加工ができない場合があります。特殊紙を使うか、PP 加工にするかは二者択一となりますので気をつけましょう。

 

箔押し

表紙印刷とは別に文字を金箔などで押す加工のことです。

 

裏面印刷(表 2・表 3 印刷)

表紙の裏(表 2)と裏表紙の裏(表 3)は基本的には白(紙の色のまま)になりますが、オプションで単色またはフルカラーで絵や文章を印刷することもできます。

 

他にも、ニス加工、ホログラム、カバー、帯、遊び紙、折込ポスター、口絵、見返しなど、同人誌印刷所ではさまざまなオプションが用意されているところがあります。

 

おわりに

 

今回は表紙印刷のキホンについて紹介しました。表紙ひとつを取ってみても、種類や決めることがたくさんあるのがわかったと思います。作品の顔になる重要な部分ですので、楽しく想像を膨らませながら紙やインクを選んでみてはいかがでしょうか。

 

 

<同人誌のキホン講座一覧> 
★第1回 同人誌と同人誌即売会について教えて!
★第2回 同人誌の形や印刷についての基礎知識
★第3回 同人誌を「本」にするための構成とは?
★第4回 同人誌表紙印刷の種類と特徴が知りたい
★第5回 同人誌の原稿用紙は表紙と本文で違う?
★第6回 同人誌をデジタルで作る理由
★第7回 同人誌の原稿を印刷所へ入稿する!
★番外編 コピー本の作り方を教えます!

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