【小学館 まんが家養成講座】まんがの背景を描こう!(後編)

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まんがの描き方を基礎から教える【小学館 まんが家養成講座】!今回は『効果背景』についてレクチャーします。「集中線」や「スピード線」で静止画に動きを与えたり、重苦しい雰囲気をカケアミで表したりと、効果背景には幅広い表現方法があります。1つずつ見ていきましょう。

 

効果背景をマスターしよう!

風景を使った背景が、場所や時間、季節などの状況を説明するのに対して、効果背景はおもに登場人物の心理状態などを表現するものです。

 

描き文字と併用して使うことも多いですね。
シーンを盛り上げるためにも欠かせないテクニックです。

 

1)読み手の視線を集める『集中線』

 

下のイラストのように、コマの中で一人のキャラクターを目立たせたい場合や、向こうから物が飛んでくる場合などに、ぜひ使いたいのが集中線です。

 

次のスピード線と同様に効果背景の中でも多用される技で、いろいろな場面で役に立ちますから、ぜひ習得しましょう。

 

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集中線の描き方を説明しましょう。

 

まず下準備として集中線の中心点と線の範囲を鉛筆でしっかりマーキングしておきます。

 

 

次に定規を中心点から放射状にあてて、ペンで線を入れていきます
この時、中心点を画鋲などで固定して、定規をあてやすくする人もいますが、そんなに厳密にする必要はありません。

 

 

線は外側から中心点に向かって引くことになりますが、最初は太く、最後は細く描くようにするときれいな線になります。

 

ペンにちょっと力を入れ、筆圧を上げて描き始め、じょじょに力を弱め、最後はスーッと抜く感じです。原稿を回しながら、常に上から下に線を引くようにすると描きやすいと思います。

 

また定規で描いたばかりの線をこすらないように注意してください。

 

完成形です。
この後、はみでた線などはホワイトで消します。また、鉛筆のマーキングもきれいに消しておいてください。

 

 

最初はなかなかきれいな線が描けないと思いますが、とにかく練習あるのみ。
マスターできれば、線の密度や長さなどを変えながら多彩な表現ができます。

 

 

2)絵に迫力を出す『スピード線』

 

線で物の動きを表すのがスピード線(流線)です。

 

集中線のように視線を集めるのとはちょっと違いますが、次のイラストのようにキャラクターの動きを表現したり、車などが疾走している感じを出したりする場合に重宝する技です。

 

 

線の強弱、方向、粗密で、その物体の移動する方向や速度が表現できます。
また物体の移動とは無関係に、たんに勢いとか迫力を表現したいときにも効果的です。

 

描く場合の注意点は集中線と同様です。
ただコマの中に中心点がないので、集中線より描きやすいと思います。

 

少々線の太さが不ぞろいでもかまわないので、一気にリズムよく、シュッシュッと描くのがコツです。
ていねいに描こうとゆっくり線を引いていると逆に勢いのない線になってしまいます。

 

 

 

3)ここぞ!のシーンで使おう『ベタフラッシュ』

 

集中線の応用で、イラストのように黒ベタの背景に集中線部分を白くする技です。キャラクターが何かを感じた!などの重要なシーンで使います。

 

 

集中線を描き入れ、その外側を黒く塗りつぶしますが、通常の集中線を描くときよりさらに最初の線を太く入れ、線同士をつなげてしまいます。

 

 

むずかしい技なので、1)集中線や、2)スピード線のテクに習熟してから挑戦してください。

 

これができれば、さらに応用でベタフラッシュをセリフを入れるフキダシにしたりもできます。

 

 

4)そのほかにも多彩な背景が…

 

効果背景は『絶対こうじゃないといけない!』ということはありません。
ここではいくつかの例を紹介しますが、既存の表現にしばられずに、自由に作り出していい背景なのです。

 

あなたの感性や気分で新しい効果背景をぜひ考えてみてください。

 

 

 

※本記事は小学館新人コミック賞公式ホームページ内の連載講座『新コミまんが家養成講座』から提供いただいた記事に一部編集を加えたものです。

 

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