キャラクターの描き分け STEP.4 年代別のカラダ【ペンタブ練習】

年代別の身体の描き方

デジタルでのお絵描きやペンタブに慣れていない初心者の練習にピッタリ! マンガのキャラクターの描き分けができるようになるためのポイントを丁寧に紹介します。第4回は特徴を掴むことが難しい年代別の身体の描き方です。講座を見ながら手持ちのお絵描きソフト・アプリを使って練習してみましょう! (講師:平井太朗)

 

 

はじめに

 

さて、STEP2STEP3で年代別のキャラクターの描き方がわかってきたら、もうひとつ大切なポイントも抑えておきましょう。
「カラダ」の描き方です。

 

年代別のカラダの描き方もポイントを抑えておくと「らしさ」を演出できます。

幼い顔も老けた顔も描けるようになったのに、なんだかカラダがアンバランスだと残念なことになってしまいます。

 

成長によって発達していく身体の部位をきちんと抑えておけば、年代別の体型の描き分けもしやすくなります。

また歳を重ねた時に立ち姿はどのように変化するでしょうか。

 

顔と身体の描き分けができるようになっていろんな年代のキャラクターが描けるようになれば、ストーリーにも幅がでますよ!

 

今回の授業内容はあくまで年代別の「傾向」について説明しています。

マンガのキャラクターに20歳にしか見えない80歳が出てきたって何も問題はありません。

「自分が描きたいキャラ」を描くための補助的な知識として読み進めてください!

 

まずは身体の描き方を

 

全身バランス

まずは全身を描く時の簡単なバランスの取り方を説明します。

普段自分のバランスで描いている人はこのコラムは飛ばしてしまって構いません。

あくまで自分のバランスで描くことが大切だからです。全身を描くのが難しいという人のみ、参考にしてください。

 

まず頭部を描きます。首元まで描きましょう。

 

pen04_m4-1-1

 

頭部+首元までの長さを3倍にしたところまでが胴体の長さになります。

 

pen04_m4-1-2

 

足の長さはある程度自由に描きます。長くても短くてもお好みでOK。

 

pen04_m4-1-3

 

 

バランスを参考に全身図を描きます。

 

pen04_m4-1-4

 

この解説の内容は絶対ではありません。自由に自分なりに描くのが一番。あくまで参考程度にみておきましょう。

 

子供の身体のバランス

 

赤ちゃんから小学生まで

赤ちゃんから成人するまでのバランスをみてみましょう。

 

赤ちゃんは全体的に小さく描きます。頭部より胴体の方が小さめ。手足は短かく。

小さく描くだけでなく胴体や手足のバランスをよく見ておきましょう。pen04_m4-2-1

 

幼児では少し身長も伸びます。縦には伸びますがまだまだ肩幅は未熟です。

子供は「肩幅を狭く」「肩を華奢に描く」ことを意識するとらしくなりますよ。

pen04_m4-2-2

 

幼稚園児~小学生くらいでは腕が伸びて、足の付け根くらいまで届きます。肩幅も少し拡がりますがまだまだ華奢です。

決して逆三角形なんかにはならないように気をつけて。

pen04_m4-2-3

 

小学生(高学年)くらいになると身長と同時に手足もずいぶんと長くなります。

pen04_m4-2-4
このあたりまで肺を包む肋骨の成長が遅いので樽型の体型に近くなります。

 

 成長期の身体のバランス(男性)

 

中学生から成人まで

中学生くらいから人は成長期に入り背も伸びてどんどん大人びていきます。

男子は肩がしっかりしてきて、肩幅がひろがります。筋肉も付き始めて特に足(下半身)がしっかりしてきます。

 

中学生になると、身長や手足もすっかり伸びてきます。

筋肉が発達して特に足(下半身)に筋肉が付いているのがわかります。それに較べると上半身にはそれほど筋肉はつきません。

pen04_m4-3-1

 

高校生になると筋肉もしっかりとついて下半身はすっかり大人びてきます。

このあたりで身長は伸びなくなるので手足の長さも大人と同じです。

pen04_m4-3-2

 

成人と高校生くらいのときとの大きな違いは方の横幅です。身長は止まっても上半身が最後にしっかりとしてきます。

いわゆる「逆三角形」の身体はこのあたりで確立されます。

pen04_m4-3-3

 

 

壮年までの身体のバランス(男性)

 

成人から壮年まで

成人を過ぎたらもう身長は伸びません。代わりにやってくるのは「衰え」です。

真っ先に衰えが目立つのは下半身の筋力。脚の筋肉はもともとたくさんついているので、衰えが見えやすいのです。

 

加齢を描く際のポイントは「脚」にあると言ってもいいでしょう。

40~50歳以降筋力も衰えていくので「立ち姿」が変化します。ちょっと難しいので参考程度に見ておくだけでもいいですよ。

 

中年前期になると、筋肉が落ちてきます。真っ先に落ちやすい筋肉は脚(下半身)です。

足を細く描くと加齢しているようなイメージに見えやすいですよ。

 

pen04_m4-4-1

 

中年後期になると、身体の衰えがはっきりとわかるようになってきます。

肩や胸、下半身の筋肉が細くなって、張りのなくなった皮膚が下に垂れていくようなイメージで肉付けをします。

pen04_m4-4-2

 

壮年では、背が縮んで見えます。筋力が衰えて「良い姿勢」で立っていることが難しくなってくるからです。

筋肉もずいぶんと落ちてしまいます。

pen04_m4-4-3

 

もっと加齢した場合、骨張った体つきになっていきます。とても年老いた状態で太っている人は少数派です。

姿勢も腰が落ちてきてしまいます。

pen04_m4-4-4

 

成長期の身体のバランス(女性)

 

中学生から成人まで

女の子の成長期は中学生くらいから男の子のそれとは大きく違ってきます。

筋肉の代わりに脂肪がほどよく身体につき「女性らしい」体型を作っていきます。

女の子の成長期の変化を見てみましょう。

 

中学生になると胸がふくらみはじめ、下半身にも丸みが出てきます。

子供を産む機能を持つため骨盤が大きくなるためです。身長も体型も女子の方が男子よりも先に大人びてきます。

pen04_m4-5-1

 

高校生になるとほぼ身長も伸びなくなりますが、女性らしい胸、腰のあたりがしっかりと成長します。

pen04_m4-5-2

 

成人すると胸や腰の辺りの肉付きが良くなって、女性らしい体型になります。男子の様に肩幅がしっかりするような変化はあまり目立ちません。

pen04_m4-5-3

 

壮年までの身体のバランス(女性)

 

成人から壮年まで

成人を過ぎたらもう身長は伸びません。しかし衰えは始まります。

40~50歳以降筋力も衰えていくので「立ち姿」が変化します。

ちょっと難しいので参考程度に見ておくだけでもいいですよ。

 

中年前期、女子は男子よりも脂肪が付きやすく、いわゆる中年太りになりやすくなります。

pen04_m4-6-1

 

中年後期、子供を産む準備をしなくてよくなる年齢になると、下半身が急激に衰えてきます。

脚の筋肉も落ちて体力的に「立ち姿」に変化が見えるようになってきます。

pen04_m4-6-2
壮年になると、もともと男子より筋肉が少ないため、痩せると骨張って見えてしまいます。

骨が細い傾向があるので、やせてくるとどうしても小さく見えてしまうのです。

pen04_m4-6-3

 

加齢が進むと肉が落ち、骨が細い分身体が小さくなります。

脚を細くすると年配者のイメージで描くことができるのは男子と同じです。

pen04_m4-6-4

 

 

平井太朗先生のコラム 成長の順番
pen04_m4-colum

 

赤ちゃんは、身体に較べて頭の方が大きく見えます。

 

STEP2でも解説しましたが、自然界で身を守るために、人間はまず頭脳を成長させようとします。

赤ちゃんの頭が大きく見えるのは、身体がまだ未熟で小さいからです。

 

しかし、よく考えてみましょう「赤ちゃんは頭が大きい」とよく言います。

それは割合として身体の方が成長が遅く、頭でっかちに見えているだけ。

やっぱり大人の頭と較べたらとてもとても小さいのです。

 

子供から大人になる段階で、成長する部分はそれぞれの年代で違ってきます。

大人になってやがて老いて衰えていく段階でも、どこから衰えやすいかがわかれば表現しやすくなります。

 

実は子供から大人になる段階はまだ把握しやすいのです。なぜならみなさん成長してきたわけですから。

まだ成長の真っ最中にある方もいらっしゃるでしょう。

 

自分が学生なら学校に行ったときに同級生をよく見てみましょう。同じ年齢でも成長度合いは人それぞれ。

そのなかで「成長している部分はどこか」が見えてきます。

 

今現在成長している人たちが身の回りにいるのならそれを観察しない手はないですよ!

 

反対に、老いていく段階は把握しづらいでしょう。

若い世代にとって「老い」は「未体験」のことですから。

 

ここでちょっと役に立つ情報の集め方のアドバイスを。

「エイジングケア」って知ってますか?いつまでも若々しくあるための方法を紹介しているものです。

このエイジングケアは「どうしたら老けないようにするか」「老けていないように見せるか」を紹介しています。

…つまり、この逆をすればいいのです。

 

「筋力をつけて良い姿勢を保ちましょう」、というのは「背中が丸くなってくると、老けて見える」ということです。

 

「脚力を維持できるようにしましょう」というのは、歳を取るとまっさきに脚の筋肉が衰えるということです。

 

こうやって見ていると、普段は「自分には関係ない」と思っている情報は無駄ではなく、色々役に立ってくれる可能性があることがわかります。

 

まずはいろんなことに興味を持つ。そうすると、意外なところで役立ってくれたりもするんですよ。

 

(講師:平井太朗)

 

※この講座は、「ワコムクラブアカデミー」初級講座に掲載されていた内容を描きナビ編集部で一部抜粋・編集して掲載しています。

  • twitter
  • LINE
  • Pinterest
  • Facebook
  • URL Copy
  • twitter
  • LINE
  • Pinterest
  • Facebook
  • URL Copy