【小学館 まんが家養成講座】ストーリーの基本「起承転結」をマスター!!

マンガのストーリー、起承転結をマスターする!

まんがの描き方を基礎から教える【小学館 まんが家養成講座】!今回はストーリー構成についてレクチャーします。作品のテーマ・キャッチ・キャラクター・エピソードを決めたら、本格的にストーリー構成を考えていきます。限られたページの中でどのようにエピソードを配置して、面白いストーリーにしていくか、その設計図を作っていきます。

 

ストーリー構成の基本は「起承転結」

 

構成の基本として、よく耳にするのが「起承転結」という考えです。

 

ストーリーを4つのパートに区切って考える手法です。

 

例えば、

 

▼起=かっこいい男の子が転校してくる(発端)

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▼承=その男の子と仲良くなる(発展)

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▼転=しかし彼の元カノが現れる(急転)

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▼結=彼とめでたくラブラブに(結末)

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という流れです。オーソドックスですが、とてもわかりやすい考え方で、32ページなどの読み切り作品では、まずこの考え方で構成してみるといいでしょう。

 

ではそれぞれのパート別に解説します。

 

 

起:これからこんなに面白いまんがが始まります!

 

まんがの出だしのパートです。

主人公はどんな人物なのか、主人公と他のキャラクターとの関わりは?

 

このまんがの舞台や世界観などを説明しますが、大切なのはこのまんがの読み方を読者に伝えることです。

 

「これは超能力バトルまんがです。あなたが期待する超絶なアクションをこんな主人公がやってみせます」…など、

 

以前「キャッチ」で紹介した部分をしっかりと見せ、読者の興味を引くことに全精力を注ぎましょう。

 

キャッチについては、『【まんが家養成講座】自分の作品ならではのキャッチを作ろう!』で説明しています。あわせてご覧ください。

 

 

承:キャラの活躍から目が離せない!

 

エピソードを重ねながら、どこに向かってストーリーが進んでいくのか、をきちんと提示してあげるパートです。

主人公をはじめとした各キャラクターへの理解を深めてもらい、盛り上げていきます。

 

ワクワクした期待感から、ドキドキする高揚感へと読者を引っ張っていきます。

注意しないといけないのは、「筋書き通りの展開」にならないようにすること。

 

読者は読みながら「次はこうなるだろうな」という推測を無意識にします。

そのとおりになってしまうと「なーんだ」となるわけです。

すべてがそうである必要はありませんが、時に読者の読みを裏切りながら進めます。新しい事実が明らかになったり、敵の正体が次第にあきらかになったり、飽きさせないようにしてください。

 

 

転:そしてクライマックス、えっ、まさか…!?

 

盛り上げてきたテンションを一気に高め、クライマックスへと導くパートです。

 

作品一番のとっておきのエピソードや仕掛けをここで使います。驚きや意外性が大切です。

 

実は最後の敵、一番の大物は、こんな意外な人物だったとか、主人公の剣がさらに進化し強力に…とかですね。

主人公や敵のかっこいいセリフもここで使うと効果的です。

 

 

結:みんなよかったね、あ~面白かった!

 

単なる後始末のように考えがちですが、読後感を決める大切なパートです。

 

バトルが終わって、主人公はどうなった? 敵キャラは? などその後のキャラをきちんと紹介します。

主人公とヒロインをしっかりとくっつけるのもここでやるのが普通です。

 

読者に安心と満足感を与えられれば、読後感はとてもいいものになるでしょう。

 

また、実は「主人公とヒロインは昔からの許嫁だった」などさらなるオチをつけることもアリだと思います。

 

基本は上で紹介した感じです。簡単にまとめると、

 

[起] まず冒頭で読者の心をつかむ。読者をワクワクさせる。

 

[承] つかんだ読者の興味をなくさないようにエピソードを重ね、盛り上げていく。読者をドキドキさせる。

 

[転] 一番おいしいエピソードで、読者を驚かす。

 

[結] 最後に読者をホッとさせる。

 

各パートで、これができればベストですね。

 

 

各パートのページ数はどうする?

 

では32ページの読み切りの場合、この起承転結それぞれのパートにどのくらいページを振り分ければいいのでしょうか?

単純に8+8+8+8と割り振ってもなかなかうまくいきません。もちろん内容にもよりますが、学園モノなど世界観の説明が不用であれば、6+14+8+4くらいでしょうか。

またファンタジーであれば、10+14+6+2、などのようなケースもあるでしょう。

 

決まった公式はありませんから、入れたいエピソードによって変えていいと思います。

また、パート毎に明確な区切りをつける必要もないと思います。

 

起のパートがフェードアウトして、承のパートがフェードインするようなイメージでいいのです。

 

 

「起承転結」が絶対ではないけれど…

 

この「起承転結」は構成の基本ですが、絶対に守らなければいけないわけではありません。

 

作りたいストーリーになじまないこともあります。

たとえば、あえてクライマックス直前のパートを最初に持ってきて、読者の興味を引き、なぜそうなったかを回想のような形で見せていくこともありでしょうし、起と結つまり、オープニングとエンディングはそのままに、間を承と転の繰り返しでつないでいく方法もあるかもしれません。

 

ただあまりに変わった構成にしてしまうと、読者がついていけずに戸惑う危険があります。

 

作画と同じく、ストーリーの構成も場数や経験が必要です。すぐに面白い話が作れるわけではありません。

どうしてもうまくできない場合は、あなたが面白いと思ったまんがの構成がどうなっているか、調べてみてください(なるべく読み切りなどの短編で)。

小説や映画、TVドラマでもかまいません。

箇条書きでエピソードを並べていくと、その作品がどういった構成になっているか、わかります。

面白いからといって、特別な構成になっているわけではありません。

 

エピソードやキャラクターは斬新でも、構成は「起承転結」の案外オーソドックスな作品が多いものです。

 

※サンプルまんが作成 (C)十神 真

※本記事は小学館新人コミック賞公式ホームページ内の連載講座『新コミまんが家養成講座』から提供いただいた記事に一部編集を加えたものです。

 

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