【大公開!】アートディレクターのお仕事内容vol.2 ラフ修正~線画制作

イラスト制作現場のアートディレクターのお仕事

なかなか知ることのない、イラスト制作現場の”アートディレクター”の仕事内容を大公開!! 普段、あまり見ることのない作業内容を3回に渡って詳しくお送りします。今回は第2弾、指示書の読込み〜ラフチェックまで!

※本記事は、イラストの仕事に役立つメディア『GIKUTAS Magazin』(https://gikutas.jp/magazine)から提供いただきました。

 

【大公開!】アートディレクターのお仕事内容シリーズでは、『GIKUTAS』のADに突撃取材をして、なかなか知ることのない”アートディレクター”のお仕事の内容や魅力をお伝えします!

 

第一回「ラフイラストの修正指示の過程」

 

第二回の今回は、ラフ修正~線画制作で押さえておきたい3つのポイント

 

GIKUTAS』のADと今シリーズのためにイラストをご制作頂いたVioletshitさんが実際に使っているテクニックもご紹介!

弊社ADの業務内容だけでなく、イラスト制作のヒントにもなるかと思いますので作家さんも必見です!

 

前回のラフ修正以降の「線画」の工程を詳しくご説明させて頂きます!

 

 

▲線画完成図

 

 

前回の赤入れから修正して頂いた点のチェック

 

前回は初稿ラフに赤入れとテキストで作家さんに修正して頂きたい点をまとめました。

そちらをもとに再度修正ラフをあげて頂いたのが下記のイラストになります。

 

▲前回初稿ラフ

 

 

▲修正後ラフ

 

修正ラフのチェックポイント>

・修正指示箇所はすべて対応いただいているか?

・指摘部分の修正を行うことで、ほかの箇所に破綻は出ていないか?

 

一番重要なのは「初稿ラフよりも修正後のラフの方がクオリティが上がっているか」という点をチェックすることです!

 

例えば、膝あての位置をずらす修正指示を行なった場合、こちらは対応いただけていても

書き直した膝あてのパースがずれてしまってないか、などまでしっかりとチェックしています。

 

今回はとても綺麗に修正していただきましたので、こちらをもとに早速線画をとっていただく工程にはいっていきます。

 

 

線画制作

 

<線画を起こす際のポイント>

線画はラフを元に起こしていきます。

なのでラフの段階でどこまで想定して書かれているか、というのも重要なポイントになってきます。

 

ラフの精度は作家さんによって千差万別です。

 

ラフでは装飾を書き込まずに、全体の構図感やシルエット感がわかる程度に収めていらっしゃる作家さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

もちろん今までのノウハウで描きやすいフローがあると思います。

 

ただ、視点を変えてクライアント様ありきの商業絵という観点で見る場合

ラフの時から「装飾の形状・装飾のパース感・厚みの表現」などを加味しておくことをお勧めします。

理由は線画以降の五月雨の修正を防ぐためです!

 

線画で形がはっきりしてから「あれ、こここういうデザインになるんだ、イメージが違うかも・・・・」「ん?これすごく薄っぺらい金属でなんか違和感・・・・」という指摘を受けないためにも、ある一定以上のラフの精度を保つことも大事なポイントです。

 

ラフ:装飾の形状まで含めたキャラクターデザインの完成イメージ共有工程

線画:ラフでイメージをクライアントとすり合わせた上で、決まった形の線を取っていく作業

 

と考えていただくといいかもしれません!

 

 

クオリティの高い線画を描くポイント>

みなさん、線画時点での質感の表現って意識されたことありますか?

 

意外とどんなパーツでも、同じように線を引いてしまっていないでしょうか?

線画を描く際のポイントの一つとして「質感を表現する」という点を意識すると、ぐっとクオリティの高い線画になります。

 

例えば

 

・肌の柔らかさを表現するために「抜きと線画の溜まり」を効果的に使い、線画にメリハリをつける

・金属パーツなど無機物はまっすぐとヨレの無い線で描く

 

ちなみに、アニメパースのような強パースで前後感を出す際に、

手前のものは線画を太く、背後のものは線画を細く・・・などのテクニックもあるので、参考にしてみてください!

 

 

線画チェック

 

▲初稿線画

 

では、実際にいただいた線画をチェックしていきます。

 

ラフで一定の精度で装飾などを描いていただいた上で、最終的な構造を加味して形を整えていくのが線画の工程です。

さて、今回の線画に対し、弊社ADはどのようなフィードバックを挙げているでしょうか。

作家様へのFBコメント>

髪の毛の先端や布の先端に線画の「はらい」や「重なり」が筋のように残ってしまっている箇所が見受けられます。

 

こういう点は削除していただければと思います。

細かい箇所ですが、少々形を曖昧に見せてしまうのと、ゴミに見受けられてしまうからです。

 

作家様へのFBコメント>

金属のパーツを線画に起こす際は「均一さ」「固さ」「厚み」を意識していただくと良いと思います。

 

今回頭の装飾部分の線画について、「厚みの不均等さ」「線画の歪みからくる柔らかそうな質感」が出てしまっているので、修正をお願いいたします。

その際にパスツールを使うとブレのない線が引けますのでオススメです。

 

 

 

作家様へのFBコメント>

ラフの際は大枠の破綻がない状態で書いていただき、最終的な構造上の破綻がないかは線画で詰めていきます。

 

そういう視点で装飾の「綱」を見ていくとちょっとムニムニしていて「捻られている」印象が弱くなってしまっています。

なので規則性を意識して線画の修正をお願いいたします。

 

 

 

その他線画を起こす際に意識したいポイント

 

今回のイラストではしっかりと対応いただいていたので、指摘箇所には登りませんでしたが、線画を起こす際の基本的な部分として、線の途切れ・かすれ・引き直した線が二重に残ってしまっている、などは避けたい部分です。

 

特にアニメ塗りの際の線画は、イラスト全体の完成度を左右する、非常に重要な工程です。

シンプルな塗りの時こそ、線画が目立ってくるので上記に加えて「歪み」「ブレ」「構造上の破綻」についてもしっかりチェックしていきましょう。

 

 

まとめ

 

以上、線画で気をつけるポイントを上げさせて頂きました。

 

これ以外にも作家さんによって色々な線画の描き方をされるので、自分のイラストにあったペンの設定や線の抑揚の付け方などを工夫するのもいいと思います。

 

線画ひとつでも色々な種類があり奥深い世界ですね!

※案件によっても線画の取り方が変化するのでご注意くださいませ!

 

次回はこの線画をもとに着色工程をご紹介します!

 

 

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