分け目・つむじの位置で悩まない!髪の基本的な描き方

髪の描き方

キャラクターの個性や特徴を表現するために、髪の毛は欠かすことのできないパーツです。たとえいい表情が描けても、髪がうまく描けないとキャラクターの魅力は引き立ちません。今回は、男女それぞれの基本的な髪の描き方を、前側・後ろ側に分けて詳しい手順とともに紹介します!

 

 

基本の髪の描き方

 

髪は長さや角度によって見た目が変わるが、前髪、サイド、後ろ髪に分ける基本的な考え方は変わらない。

女性のミディアムヘアと男性のショートヘアの描き方を見ていこう。

 

女性ミディアムヘア・前側

 

1.中心線のアタリを取る

頭部の丸みを意識して頭のアウトラインを描き、中心線のアタリを取ります。

頭頂部まで分け目のアタリを描いておきます。

 

女性の顔 前側 中心線のアタリを取る 例

 

2.前髪を描く

額の丸みを意識しながら生え際から放射状に前髪を描いていきます。

前髪の幅は、両眉の端あたりを目安にする。

 

女性の顔 前側 前髪を描く 例

 

3.サイドの髪を描く

生え際のアタリを軸に、サイドの髪を描き加えていきます。

頭部の丸みがわかるように、頭頂部からサイドに流れる髪に丸みをつけます。

 

女性の顔 前側 サイドの髪を描く 例

 

4.後ろ髪を描く

後ろ髪を描いていきます。肩にかかる髪の垂れ具合、耳の後ろにかけられた髪の毛流れ、肩の前側に来る髪、毛先が跳ねた感じなどを意識しながら描きます。

 

女性の顔 前側 後ろ髪を描く 例

 

5.遊び毛を足す

サイドや後ろ髪に細くて柔らかい動きのある遊び毛を足していきます。

この遊び毛のあるなしが、自然体に見せるための重要なポイントです。

 

女性の顔 前側 遊び毛を足す 例

 

6.完成

遊び毛と毛束が重なっている部分の線を消して、両方の毛を繋げると、女の子らしい柔らかさが際立って可愛らしく仕上がります。

 

女性の顔 前側 完成 例

 

 

 

女性・後ろ側

 

1.中心線のアタリを取る

頭のアウトラインを描き、前側と同じように頭部の丸みを意識して中心線のアタリを取ります。

 

女性の後ろ側 中心線のアタリを取る 例

 

2.前髪を描く

後ろから見た前髪は生え際が見えませんが、耳より少し前側に前髪の端が来ることを覚えておくと形が把握しやすくなります。

 

女性の後ろ側 前髪を描く 例

 

3.サイドの髪を描く

前髪と同様に、耳より前側にサイドの毛を描きます。頭頂部から頭の形に沿って、丸みのついた毛の流れを描きましょう。

 

女性の後ろ側 サイドの髪を描く 例

 

4.後ろ毛を描く

つむじや分け目のアタリを参考に、毛が生えている方向を意識しつつ後ろ髪を描いていきます。

 

女性の後ろ側 後ろ毛を描く 例

 

5.遊び毛を足す

立体感や自然な感じが出るように、前髪、サイド、後ろ髪に、

それぞれ柔らかい遊び毛を書き加えていきます。

 

女性の後ろ側 遊び毛を足す 例

 

6.完成

メインの髪と遊び毛が重なっている部分の線を消して自然体に仕上げます。

毛が細い前髪やサイドの髪も同様に仕上げます。

 

女性の後ろ側 完成 例

 

 

 

男性ショートヘア・前側

 

1.生え際のアタリ線を引く

ベースとなる髪のない頭部と顔を描き、額から耳の上にかけて生え際のアタリ線を引いておきます。

 

男性の顔 前側 生え際のアタリ線を引く 例

 

2.前髪を描く

額の生え際のアタリ線を参考に、前髪を描いていきます。

 

男性の顔 前側 前髪を描く 例

 

3.髪の輪郭を描く

後頭部のアタリ線を参考に、頭全体を包む髪の輪郭を描いていきます。

髪は、頭部の線より一回りほど外側に広がるくらいのボリュームを意識します。

 

男性の顔 前側 髪の輪郭を描く 例

 

4.毛束を描き足す

頭頂部につむじを作り、毛の流れに沿って毛束を描き足していきます。

短い毛束が重なり合っていることを意識して、たまに外側へ跳ねた毛も混ぜます。

 

男性の顔 前側 毛束を描き足す 例

 

5.完成

毛束が重なっている部分に、細かい毛の流れをイメージした線を描き足します。

描き過ぎると不自然になるので、バランスを見ながら軽く加えます。

 

男性の顔 前側 完成 例

 

 

 

男性ショートヘア・後ろ側

 

1.つむじのアタリを取る

後ろから見た顔の輪郭と後頭部の線を描きます。

両耳を繋ぐ線と頭部の中央を通る線を引き、交差点をつむじのアタリにします。

 

男性の後ろ側 つむじのアタリを取る 例

 

2.つむじを中心に髪を描く

つむじのアタリを中心に、大まかに毛を生やします。左右だけでなく上にも描き足しておきます。

 

男性の後ろ側 つむじを中心に髪を描く 例

 

3.髪の輪郭を描く

後頭部の線を参考に、頭部を包む髪全体の輪郭を描いていきます。

前側と同様に、頭が大きく見えすぎないように注意します。

 

男性の後ろ側 髪の輪郭を描く 例

 

4.後頭部の毛の流れを描く

つむじを起点に後頭部全体の毛の流れを描いていきます。

耳のラインより下側、うなじ周辺の毛は上側より短くなっています。

 

男性の後ろ側 後頭部の毛の流れを描く 例

 

5.完成

ショートヘアの前側と同様に、細かい毛を描き加えていきます。

注意点も同じで、不自然にならないようバランスを見ながら足していきます。

 

男性の後ろ側 完成 例

 

 

 

毛の描き方

 

髪型は、毛先や毛束の描き方で全体の印象が大きく変わってくる。

柔らかいストレートヘアの毛先から、跳ねたり巻いたりしているカールした毛先など、さまざまな毛の描き方を覚えよう。

 

柔らかい毛

シンプルでクセのないベーシックな毛先です。

髪質がストレートでも、毛は1 本1 本が細く先端が曲がりやすいため、毛先を軽く曲げたほうが自然な柔らかさが表現できます。

 

毛の描き方 柔らかい毛 例

 

 

跳ねた毛

毛に強いカールがかかっているため、毛先が跳ねています。

毛束の質感は硬めをイメージして、毛先を横や上など、重力に逆らった方向に伸ばすのがポイントです。

 

毛の描き方 跳ねた毛 例

 

 

柔らかい毛束

ストレートな髪質の毛束は、重力に逆らわず下に垂れていきます。

線をまっすぐではなく、ゆるいカーブを描くようにすると柔らかそうな質感になります。

 

毛の描き方 柔らかい毛束 例

 

 

巻いた毛

毛束を強く巻いたらせん状の巻き髪は、毛先に行くほど毛束が細くなって巻き具合が強くなるように描きます。

 

毛の描き方 巻いた毛 例

 

 

ウェーブした毛

ゆるふわなウェーブヘアは、大きな一本の波打った毛束を描きつつ、束からはみ出す跳ねた毛や別の毛束を隣に描き加えるとボリューム感が出ます。

 

毛の描き方 ウェーブした毛 例

 

 

硬い毛

少年漫画でよく見られるツンツンした毛は、硬く鋭い針のようなイメージで、毛先を頭部の外側に向かって伸ばします。

 

毛の描き方 硬い毛 例

 

 

アップにした前髪

生え際の中央部から左右に向かって、放射状に毛が伸びて毛の流れができます。

生え際は、生え際のラインに沿って鋭い針が生えているようなジグザグの線で描きます。

 

毛の描き方 アップにした前髪 例

 

 

※本記事は、『デジタルツールで描く!キャラクターを引き立てる髪の描き方』(マイナビ出版)からの特別版抜粋記事です。

 

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