誰でも簡単!ミニキャラ・ちびキャラの描き方【2頭身・1.5頭身】
キャラクターを2頭身くらいにしたミニキャラ・ちびキャラのイラストはSNSを中心に大人気! 通常の頭身のイラストを2頭身のミニキャラ化するときのテクニックや、ぷにっとかわいいぬいぐるみ風の1.5頭身のミニキャラの描き方のコツを紹介します。アクリルスタンドやステッカーなどのグッズやSNSアイコンなどに活用できますよ♪
目次
ミニキャラってなに?
ミニキャラは、2頭身くらいのキャラクターイラストのことで、「ちびキャラ」「SDキャラ」とも呼ばれます。
通常の頭身のキャラクターイラストをデフォルメして、頭が大きく、全体的に丸いフォルムに描かれることが多いです。

ミニキャラ・ちびキャラの特徴
- 頭が大きくて身体が小さい
- パーツがシンプルで表情豊か
- 丸っこくてやわらかいフォルム
ミニキャラ・ちびキャラは全体的に小さく、ぬいぐるみのような愛らしさがあります。
アクリルスタンドやステッカーなどのキャラクターグッズや、LINEスタンプなどのアイコン、ぬいぐるみ風のイラストなど、キャラクターをぷちっとかわいい印象にしたいときにおすすめです!
ミニキャラで大事なのはバランス!
ミニキャラを描くときに大事なことは、頭身と全体のバランスです。
頭身とは、頭の大きさを1として、全身が頭の大きさ何個分かを示すものです。
高校生〜成人くらいのキャラクターは6~8頭身で描かれることが多いですが、ミニキャラはどんな年齢のキャラクターでも2頭身くらいで描かれます。
たとえば、同じ作品内の複数のキャラクターを2頭身のミニキャラで描く場合、身長180cmのキャラクターも150cmのキャラクターも同じ2頭身でデフォルメされます。
そのため、ミニキャラ化した際にシリーズとして統一感を出すことができます。

また、顔のパーツや手足、衣装のデザインも、頭身が高い絵と同じように描くのではなく、ミニキャラのテイストに合うようにデフォルメを行います。
ミニキャラを描くときのコツ
顔のパーツの位置は低く描く
大きい顔に対して顔のパーツは中心より低く描くきます。
下にパーツを寄せるとおでこの範囲が広くなり、赤ちゃんのようなかわいらしさが出て、ミニキャラとしてのバランスがとりやすくなります。
あごは尖らせず、ゆるやかな曲線で表現するか、アタリで描く丸をそのまま使用してもよいです。

大きくてキラキラな目が人気!
ミニキャラは身体に対して顔が大きいため、比例して目も大きく描きます。
目を小さく描くデザインもありですが、最初はバランスがとりにくかったり、上手くいかないこともあります。
元の頭身で目が小さかったり、クール系のキャラで目が細い場合でも、目を大きくデフォルメするとかわいいミニキャラにすることができます。

目のハイライトの形は自由
基本的な丸や楕円のほか、ダイヤ、花、星、きらきらなどのモチーフをハイライトに選ぶとポップな印象になります。
丸の場合でも、ハイライトを置く場所を工夫すると目の印象がガラッと変わるので好みの位置を探してみてください。

手足は丸みや台形を意識
指はすらっと長く描かず、赤ちゃんのようにもっちり短く描いたり、大胆に丸や台形のような形にデフォルメするとミニキャラ感が出せます。
台形を意識しながら、パーツの角をカクカクさせるとカートゥーン風のミニキャラも描けます。

衣装も大胆にアレンジ!
元にするキャラクターに細かい装飾がある場合、ミニキャラではシンプルな形に置き換えましょう。
たとえば靴ひもや花柄などの細かい装飾は簡略化して、帽子やリボンなどアクセントになる小物は大きく描いて強調するとバランスがとりやすいです。
忠実に描き込むと、ごちゃっとした見た目になってしまうため、細かい模様は描かないなど、バランスを見て省略してもよいです。

頭身別のミニキャラの特徴
自分がどんなテイストのミニキャラを描きたいかによって頭身の選び方や描き方も変わります。
イラストの依頼などで指定されている場合以外では、自分の好み・描きやすさなどでミニキャラの頭身を決めてよいです。
自分が描きたいミニキャラ・ちびキャラのイメージに近い頭身のバランスの取り方を覚えると、理想のミニキャラを描く近道になります!

1.5頭身
頭と身体が1:0.5の比率で、頭が身体より大きくなります。
身体を細めにすればドールやマスコットフィギュアのような印象に、太く丸くもっちりとしたフォルムにすればぬいぐるみのようなキャラクターが描けます。
衣装や小物はほとんど描き込めないため、大幅にデフォルメするか省略します。

2頭身
2頭身は顔の大きさと身体の大きさが1:1になります。
身体はアルファベットの「A」の形や台形を意識すると、バランスの良いかわいいミニキャラが描けます。
小さいフィギュアや、アクリルスタンド用のイラストなど、ころっとかわいい印象にしたいときにおすすめです。
衣装や装飾の複雑な部分は詳細には描き込めないため、デフォルメや省略をします。
逆に帽子やリボンなどのアクセントになる小物は大きく描いてバランスを取ることもあります。

2.5頭身
2.5頭身は頭に対して身体のバランスが少し大きいため、手足がすらっと長くなります。そのため自由にポーズをつけることができます。
頭が大きいミニキャラとしての可愛さを保ちつつ、色んなポーズをとりやすいため、キャラクターグッズなどで多く使用される頭身です。

2頭身のミニキャラ・ちびキャラを描いてみよう!
ここからは実際にミニキャラの描き方を見てみましょう。
今回は6頭身のキャラクターを元にした2頭身のキャラクターの描き方メイキングを紹介します!
この描き方メイキングではCLIP STUDIO PAINTを使用しています。
他のイラストアプリでも同様の描き方でミニキャラを描くことができますよ。

全身のラフの描き方
頭のアタリの丸を描いて、身体は小さくアルファベットの「A」の形を意識して描きます。
今回はキャラのポーズが映えるように、身体をひねって足を曲げてみました。
ミニキャラは少しでも動きをつけるとフォルムが映えるため、ポーズに迷ったら手足を曲げてみるのがおすすめです。

ラフは[レイヤーカラー]を使用して薄い水色にすると、線画を描くときに見やすくなります。
今回は不透明度を50%に下げました。
[レイヤーカラー]は[レイヤー]パレットの右上、もしくは[レイヤープロパティ]パレットから設定できます。初期設定では水色が指定されていますが、自由に色変更も可能です。

ミニキャラの体の描き方って難しい……ポーズをつけるの大変そう……とお悩みの方は、CLIP STUDIO ASSETSでミニキャラ・ちびキャラの3D素材を使って描き方の参考にしてみるのもおすすめです。
好きなポーズにしたり、角度を自由に変えられるので、初めての方でも3Dをなぞるだけで簡単にミニキャラの体を描けます!
<POINT>ポーズはシルエットで確認してみよう
うまくポーズが取れているか迷ったときは、シルエットにして確認してみましょう。
影だけで分かりやすいポーズになっていると、キャラクターの個性がより伝わりやすくなります。

■簡単にシルエットにする方法
ラフから簡単にできるシルエットの描き方を紹介します。
[ツール]パレットから[自動選択]ツールを使用して、キャラクターの周りの余白を選択します。
髪の隙間や手足と髪の毛の間など、キャラクター以外の部分をすべてタップしていきます。
このとき、線画に隙間があってキャラクターの部分まで選択してしまう場合は加筆してください。確認用のシルエット作成のため、輪郭はガタガタしていても大丈夫です。

[選択範囲]ランチャーから[選択範囲を反転]を選択します。
先ほどはキャラクター以外の箇所が選択されていましたが、選択範囲を反転することによりキャラクターのみが選択された状態になります。

ラフのレイヤーの上に[新規]レイヤーを作成し、合成モードを[乗算]に設定して、グレーなど濃い色で塗りつぶします。

ラフからシルエットが完成しました!
ポーズやパーツの形の見せ方に迷ってしまったときはシルエットで確認してみてください。

線画の描き方
ラフが固まったら太めのブラシを使って線画を描いていきます。
今回はCLIP STUDIO ASSETSで無料でダウンロードできる「寝そべり鉛筆」を使用しました。やわらかくなめらかな描き心地で、線画にも塗りにも使えます。
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1692979

今回のイラストのように、すっきりとした線画のミニキャラを描くときは、鉛筆画のようにザカザカと線を重ねるのではなく、なめらかな曲線を1本引く事を意識してみてください。

一度できれいな線を描くのが難しい場合は、消しゴムで削って線を整える描き方でも大丈夫です。

顔、髪、服、小物など、パーツごとにレイヤーを分けて線画を描きます。
レイヤーを分けるのは、後から線の修正や色の変更をしやすくするためです。
分け方には厳密な決まりはないので、とくに指定が無い場合は自由にレイヤー分けを決めてしまってよいです。
▽分かりやすいようにレイヤーごとに色を分けて表示しています

線画が完成しました!

色を塗る
ベースの色+グラデーション+影1色+ハイライトなど、なるべくシンプルな塗りを意識します。

ベースの色を塗る
パーツごとに新規レイヤーを作成して[塗りつぶし]ツールなどで、それぞれのパーツごとに色を塗り分けます。

髪や衣装の大きいパーツにグラデーションを使用すると透明感が出せます。
今回は[塗りつぶし]ツールでべた塗りをしてから、髪や衣装の一部を[エアブラシ]でふんわり色を変えました。

影を塗る
パーツごとに塗り分けたレイヤーの上に合成モード[乗算]の新規レイヤーを作成し、[下のレイヤーでクリッピング]します。

帽子の下やスカートの影など、大きな影ができる部分に色を塗ります。
はっきりした色で影を塗ると、グッズやアイコンなどで小さく使用した際にも分かりやすくなります。

バランスを見て、細かな描き込みはせずにシンプルな影のみ描画しました。

ハイライトを塗る
髪の毛のふちや帽子の角など、出っ張っている部分にベースの色より薄い色でハイライトを描きました。
[Gペン]などの不透明度の高いブラシでざっくり塗ると、デザイン的になってミニキャラ感が出せます。

線画を色トレスしよう
塗りが完成したら、線画を色トレスしてみましょう。
カラーイラストにおける色トレスとは、線画の色を塗りの色に近いものに変更することです。
イラスト全体に統一感を出せるうえに、ふんわり柔らかい印象にできるため、ミニキャラのかわいさもアップしておすすめです。
最初から色が決まっている場合は、線画を描く時点でそれぞれの色を選んで描き始めても大丈夫です。

色トレスのやり方
まず、線画のレイヤーを選択します。
CLIP STUDIO PAINTには[ラスターレイヤー]と[ベクターレイヤー]があります。それぞれどのような描き方で色トレスをするのか紹介します。
◇ラスターレイヤー
塗りつぶしやフィルターでの加工、[ゆがみ]ツールなどが使える一般的なレイヤーです。
レイヤーパレットから[透明ピクセルをロック]を選択したあと、任意の色を選択して塗りつぶしやブラシなどで塗ると、すでに描かれている部分の色を変更できます。

◇ベクターレイヤー
制御点とパスで描画できるレイヤーで、描いた後からでも線の形や太さを自由に変えることができます。線の修正が簡単にできるため、髪の毛の線画などに向いています。
ただ、塗りつぶしで色の変更ができないため、ラスターレイヤーとは別の方法で色トレスを行います。この方法はラスターレイヤーでも使用できます。
ベクターレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、[下のレイヤーでクリッピング]をします。
下のレイヤーに描かれた部分にのみ加筆を行えるため、このレイヤーに色を塗るだけで簡単に線画の色を変更できます。

▽レイヤーの種類について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

完成!

2頭身のミニキャライラストが完成しました!
元のイラストと比べると、大幅にデフォルメされつつもキャラクターの印象を保ったミニキャラになっていますね。

【おまけ】ぬいぐるみ風1.5頭身のミニキャラ・ちびキャラの描き方

SNSを中心に、ぬいぐるみや、ぬいぐるみ風のミニキャライラストはとても人気があります。
作成した2頭身ミニキャライラストと比較して、1.5頭身のぬいぐるみ風のキャラクターの描き方のコツを紹介します。
ぬいぐるみ風1.5頭身のバランス
2頭身に比べて1.5頭身は0.5だけ小さくなっていますが、フォルムや線のテイストも変化していて、かなり違いがあるのが分かりますね。
ご存じの通り、ぬいぐるみは布と綿、刺繍などを使用して作られていて、ふわふわの体がかわいくて魅力的です。
ぬいぐるみ風のミニキャラ・ちびキャラを描くときも、実際のぬいぐるみのフォルムを意識して描いてみましょう。

顔はぷにっと丸みを意識
ぬいぐるみ風では、ミニキャラの柔らかさがより伝わるように丸みを意識します。
あごは平らに近いゆるやかなカーブに、ほっぺは赤ちゃんのようなぷにっと感が伝わるようなぷっくりとしたフォルムにします。
目や口は刺繍で縫われているときのように、幅広で丸みを帯びてあまり細い部分を作らないようにします。
ぬいぐるみ風にする場合はやわらかいフォルムを意識した描き方をするとかわいさを演出できます。

髪の毛はやわらかく
2頭身では髪の毛のふわふわ感が伝わるように、隙間を描いたり毛先をばらけさせていましたが、ぬいぐるみ風では一本になるように大幅にデフォルメしました。
ぬいぐるみの髪の毛はフェルトで表現したり、他のパーツと同じように布に綿を詰めて表現することがあります。
ぬいぐるみ風のミニキャラ・ちびキャライラストでも同じように1つのパーツにすることで、ふにっと柔らかい髪の毛を表現できます。
また、2頭身のミニキャラに比べて、尖った部分を少なくしてなるべくゆるやかな曲線にすることも柔らかさのポイントです。

身体はぬいぐるみの丸みを感じて
ぬいぐるみの体は、袋状に縫った布の中に綿などを詰めていることが多いです。
1.5頭身のミニキャラは体を細かく描き込めないため、ぬいぐるみのような丸いボディと相性がいいです。
手足の先は指や靴のフォルムを省略して、丸い筒状に描くと小さいぬいぐるみ感が出せます。
元の頭身ではスレンダーなキャラクターでも、中に綿が入っている事を意識して、太く丸くぽてっとしたフォルムにします。

小物の描き込みは最小限に
2頭身でも小物の描き込みを省略しましたが、1.5頭身ではさらにデフォルメします。
帽子のリボンの輪っかの部分を単純な線に置き換えたり、靴のピンクのラインや靴ひもは線画を無くして塗りだけで表現しました。
最低限の状態までデフォルメすることで、パーツの情報は残しつつ、ぬいぐるみ風のテイストに合ったすっきりとしたデザインにすることができます。


塗りはシンプルに
ぬいぐるみ風の1.5頭身では、全体的にやわらかさを意識してパーツの情報を少なくしているため、塗りもシンプルにするとバランスが良いです。
2頭身では影を塗っていましたが、ぬいぐるみ風の1.5頭身では影を塗らずに完成させています。もちろん影を塗ってはいけないということではないので、好みの塗り方を試してみてくださいね。

アレンジして可愛くしよう♡
完成したミニキャライラストをデコったりしてアレンジしてみましょう♪
ステッカー風・アクスタ風
キャラクターの周りにフチをつけることで、ステッカー風やアクリルスタンド風のイラストにできます。

CLIP STUDIO PAINTでのフチのつけ方はとっても簡単!こちらの動画でやり方を確認してみてください。
【超簡単❣️】ステッカー風イラストのフチのやり方!|CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)
https://www.youtube.com/shorts/gp9sRGw3xA8
背景に柄を入れる
背景に模様を入れるだけで一気におしゃれになります!
このイラストでは背景を黄緑で塗りつぶした上に、黒い線の画像素材を合成モード[除算]にして重ねました。
黒い画像は[除算]にして重ねると白い画像として使用できます。

使用した素材:https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=2184449
デコカード風
ミニキャラの周りをリボンやハートなどのパーツでデコレーションすると、カードケースデコのようなイラストが描けます。
ミニキャラの線画が太いため、デコパーツのイラストと馴染みやすく、簡単にかわいくできるのでおすすめです♪

使用した素材:
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=2148157
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=2122238
CLIP STUDIO ASSETSには背景に使えるかわいいブラシ素材や画像素材がたくさんあるので、ぜひダウンロードして使ってみてください!
まとめ
ミニキャラ・ちびキャラの描き方、いかがでしたか?
ミニキャラはそれぞれの頭身のデフォルメの描き方を覚えれば、いろいろなキャラクターをミニキャラ化できます。
簡単にかわいいキャラクターイラストが描けるので、ぜひ色んなミニキャラ・ちびキャライラストを描いて楽しんでください♪








