【配色アイデア】日本の風景写真からカラーパレットを作ろう

イラストを描くときに、どんな色で塗ろうか、どの色の組み合わせが映えるのかなど、色味に関して悩むことはありませんか? 今回は、日本の風景写真からカラーパレットを展開する例を3つ紹介します! 配色の参考にしてみてください。

 

すぐに使える! 配色テクニック

 

『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉 心に響く和のデザインがつくれる本[完全保存版] 』(桜井輝子・著/SBクリエイティブ刊)から、日本の風景写真からカラーパレットを展開し、配色イメージやアイデアを膨らませる方法について紹介します。

配色のコンセプト作りに悩んだ時や、自分が作る配色がマンネリ化していると感じた時には、ぜひ活用してみてください。

 

本記事では、「ラベンダー畑」「夜の東京タワー」「名古屋城」の写真から作成したカラーパレットを紹介し、各写真につき9点の色玉と色名、色の数値、配色のポイントを記載しています。
・色名について:色名は著者が独自に名付けたものを記載しています。
・色の数値について:色は印刷する素材や印刷方式、モニター画面の色の表示方法などによって異なって見えることがあります。CMYKとRGBの数値はあくまでも参考値としてお取り扱いください。

 

 

 

「ラベンダー畑」の配色カラーパレット

 

化粧品香料としてのラベンダーオイルを生産するため、昭和12年にフランスから持ち込まれたトゥルーラベンダーの種は、富良野地区で町をあげて栽培され、今では屈指の観光スポットとなった。

作付面積がもっとも広い「おかむらさき」は7月中旬頃に見頃を迎える。(北海道)

 

早咲きから遅咲きまでが、7月は順次見頃に。

 

イメージ:欧風の、気品ある、洗練された
配色の仕方:青紫を中心として赤紫・白・黄緑を合わせる
ポイント:①②のような青紫が、ラベンダーのイメージ

 

 

▼カラーパレット

 

①濃紫(のうし)

「おかむらさき」と並ぶ富良野のラベンダー。

C60 M60 Y0 K0
R121 G107 B175
#786BAE

 

②精油(せいゆ)

無色透明のラベンダーオイルに香り成分が凝縮。

C40 M40 Y0 K0
R165 G154 B202
#A59AC9

 

③雲の影(くものかげ)

いろいろなかたちの雲の影が大地に映る。

C3 M0 Y13 K25
R207 G208 B193
#CECFC0

 

④濃霧(のうむ)

濃く立ち込めた霧。視界が100 m以下の場合をいう。

C5 M0 Y13 K17
R218 G221 B206
#D9DDCE

 

⑤白雲(しらくも)

白い雲の下、ラベンダーの青紫が映える。

C10 M0 Y17 K0
R236 G244 B223
#EBF4DF

 

⑥練乳(れんにゅう)

牛乳に糖分を加え、濃縮させたもの。

C10 M0 Y40 K0
R237 G241 B176
#EDF0AF

 

⑦大地(だいち)

広い大地は、豊かな作物や木々で覆われている。

C45 M0 Y50 K35
R113 G156 B115
#709B72

 

⑧甜瓜(めろん)

夕張メロンの皮は薄緑、果肉は濃いオレンジ色。

C43 M0 Y65 K0
R160 G206 B119
#9FCD76

 

⑨紫丁香花(むらさきはしどい)

英語ではライラック、仏語ではリラの花色。

C40 M60 Y0 K0
R166 G116 B176
#A574B0

 

 

▼2色配合

 

 

▼3色配合

 

 

▼意匠

 

 

▼図案

 

 

▼挿絵

 

 

「夜の東京タワー」の配色カラーパレット

 

東京タワーの正式名称は日本電波塔(にっぽんでんぱとう)である。

昭和33年の開業以来、東京のランドマークとして親しまれてきた。

冬の間はオレンジ色の暖かな光でライトアップされるが、毎年7月7日(七夕)の晩に、白色を基調とした涼やかな「夏バージョン」の光に切り替わる。(東京都)

 

イベント時には、ライトアップの色が変わる。

 

イメージ:きらびやかな、にぎやかな、活気ある
配色の仕方:濃い青に赤・橙・黄の高彩度色を合わせる
ポイント:できるだけコントラストを強くすると良い

 

 

▼カラーパレット

 

①真夜中(まよなか)

夜の中間点。23~2時頃を意味することもある。

C75 M65 Y10 K60
R39 G43 B87
#272B56

 

②不夜城(ふやじょう)

夜でも昼のようににぎわう場所。元は漢の城名。

C90 M80 Y5 K20
R38 G55 B130
#253782

 

③明け方(あけがた)

夜が明けて、朝になり始める頃。

C65 M37 Y5 K20
R84 G122 B170
#537AAA

 

④昼白色(ちゅうはくしょく)

オフィスの照明としてよく使われる光の色。

C25 M13 Y10 K0
R200 G211 B221
#C8D3DC

 

⑤宵の口(よいのくち)

日が暮れて、夜になり始める頃。

C50 M30 Y10 K55
R79 G94 B117
#4E5E75

 

⑥影(かげ)

光あるところに影あり。さまざまな比喩に使われる。

C40 M30 Y30 K85
R45 G44 B45
#2D2B2C

 

⑦飾燈(ねおん)

繁華街に見られる、鮮やかなネオンサイン。

C0 M83 Y65 K0
R233 G77 B71
#E94C46

 

⑧黄赤(航空法)(きあか)

鉄塔はInternational orangeと呼ばれる黄赤と白。

C0 M69 Y100 K0
R237 G111 B0
#ED6E00

 

⑨宴(うたげ・えん)

仕事が終わり、仲間と楽しいひと時。

C0 M25 Y60 K0
R251 G203 B114
#FACB72

 

 

▼2色配合

 

 

▼3色配合

 

 

▼意匠

 

 

▼図案

 

 

▼挿絵

 

 

「名古屋城」の配色カラーパレット

 

徳川家康が天下統一の最後の布石として築いた城が名古屋城である。

1 6 1 2 年に天守閣が竣工、鯱(しゃちほこ)が置かれた。

鯱は想像上の生き物で姿は魚、頭は虎や竜のようであり、水を呼ぶとされる。

金鯱は権力の象徴であると同時に、防火のまじないでもあった。(愛知県)

 

食文化も「名古屋めし」として親しまれている。

 

イメージ:落ち着いた、気品のある、秋らしい
配色の仕方:名古屋のシンボル的な色を主役にする
ポイント:④~⑥のアソートカラー(※)で雰囲気を調整する

 

※アソートカラー:ベースカラーとアクセントカラーをつなぐ役割をもつ色のこと。配色において、ベースカラーの次に大きな面積で用いる。

 

 

▼カラーパレット

 

①城壁(じょうへき)

樫の厚板に土壁を盛り、漆喰を塗ったもの。

C3 M0 Y13 K5
R243 G244 B225
#F2F3E1

 

②銅瓦(どうがわら)

銅が酸化してできる錆は美しい青緑色。

C35 M0 Y27 K10
R166 G205 B187
#A5CDBB

 

③石垣(いしがき)

大小の石が盤石な基盤を作っている。

C17 M17 Y15 K40
R154 G150 B150
#9A9595

 

④赤朽葉(あかくちば)

朽葉とは、色づいて地面に落ちた葉の美称。

C10 M45 Y55 K35
R170 G119 B84
#AA7753

 

⑤黄朽葉(きくちば)

微妙な色みの違いを赤・黄・青と呼び分けた。

C15 M25 Y55 K45
R148 G129 B83
#948153

 

⑥青朽葉(あおくちば)

青という言葉は、緑の色相を含む表現であった。

C45 M33 Y55 K40
R111 G113 B87
#6E7156

 

⑦八丁味噌(はっちょうみそ)

長期熟成させた豆味噌。岡崎市八帖町で生産。

C30 M65 Y55 K60
R101 G54 B49
#643630

 

⑧金鯱(きんしゃち・きんこ)

名古屋城の鯱はウィーン万国博覧会にも出展。

C10 M7 Y67 K10
R222 G212 B100
#DED363

 

⑨小倉餡(おぐらあん)

名古屋の喫茶店では定番の小倉トーストの餡。

C30 M65 Y55 K23
R158 G93 B84
#9E5C53

 

 

▼2色配合

 

 

▼3色配合

 

 

▼意匠

 

 

▼図案

 

 

▼挿絵

 

 

※本記事は、「配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉 心に響く和のデザインがつくれる本[完全保存版]」からの特別版抜粋記事です。

 

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配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉

『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉 心に響く和のデザインがつくれる本[完全保存版]』(桜井輝子・著/SBクリエイティブ刊)

 

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