【ファンタジーに必須!】獣人キャラクターを描いてみよう!

人と獣が融合したキャラクター「獣人」。ファンタジーに欠かせない存在ですが、描くのは難しいと思っていませんか?モチーフになる動物の特徴を理解すると、より「動物らしい」キャラクターを描けます。人間からどのように動物を取り入れたデザインにしていけばよいか、作例を交えてわかりやすく解説します。

 

本記事は『「ファンタジーキャラ」描き方教室 デジタルで描く! 世界を魅せるキャラの技術』(SBクリエイティブ刊)からの特別抜粋記事です。

 

獣人デザインの作り方

 

獣人をデザインする際のポイントを紹介します。

1. 人間と混ぜる生き物を決める

どの生き物を選んでももちろん構いません。好きな生き物を選んで、資料を集めます。
今回は例として、体のベースはほぼ人間で、頭は完全に獣頭なタイプの獣人で進めていきます。

 

 

2. 人間の体をベースに、頭を動物につけかえる

人間と動物の首の太さは違うので、つけかえたあとは体になじませる作業をします

鎖骨のあたりにつけ根を合わせて、首の後ろの筋肉は背中につくまでのばしてくっつけます。

 

●人間とライオンの首の幅

首の根元の厚みは人間とライオンでは異なる。だいたい3:2 の割合でライオンが太い。

前に出ている頭を支えるために、ライオンの首の筋肉は人より太い必要がある

 

 

 

●首から上をライオンにする

人間の胴体とライオンの頭部を合体させるときには、筋肉を意識する

 

 

3. 手首から先、足首から下に動物の特徴をつける

指にメリハリをつけて、ごつごつとした手にしていきます

指先に薄っすら肉球をつけて、獣らしく爪を伸ばします。

 


爪を使って狩りをする肉食獣のため、手をついたときには爪が地面につかないようにします。足の爪も同様に考えます(ただし、犬やチーターなどがベースで、爪を走るためのスパイク爪に見せたい場合は地面につけるようにする)。

 

 

4. 尻尾を生やす

背骨の延長上に尻尾を生やします。

突然腰の上あたりから生えているとちょっと不自然なので、気をつけたいところです。

 

▼背骨の延長上に尻尾が生えている

 

▼尻尾が腰の上から出ているのは不自然に見える

 

▼尻尾の飾り毛も流れに沿って描くと違和感がない

 

 

5. 毛を生やす

全体に短い毛を生やし、好きな箇所に長い毛を生やして完成です。

今回はリアルな頭身でしたが、体型をもっと極端に誇張してデフォルメしたり、髪型をアレンジしたりしてもいいですね。
あまり縛られすぎずに、楽しくオリジナルの獣人デザインを考えましょう。

 

 

獣人のモチーフを知る

 

獣人を描くときにモチーフにする動物の知識があれば、動物らしいデザインも、人に近いデザインも考えやすくなります。

ここでは、動物の体の構造を考える際のポイントと作例を紹介します。

■動物のポーズをまねして理解する

動物の体の構造を理解する近道は、自分も動物と同じポーズをとることです。

実は他の脊椎動物と骨や筋肉の種類はほとんど同じです。

ほとんどの動物のポーズは自分で再現できるので、ポーズをとって体のパーツの位置を比べてみましょう。ここでは、犬、鳥、海獣のポーズをまねた例を紹介します。

 

▼通常の立ち姿

 

▼犬のポーズ

地面につく手足の部位に多少違いはありますが、4足で歩く哺乳類は基本的にはこれを参考にできます。例えば熊なら手のひらと足の裏をつけ、馬なら中指だけをつけ、ゾウなら5本の指先をつけます。

 

 

MEMO【動物の肉球は人間のどこにあたる?

犬や猫などの肉球は、人間でいうこの部分。

 

 

▼鳥のポーズ

 

 

▼海獣のポーズ

 

 

■いろいろな種類の獣人を作る

人間と動物の違いがわかれば、パーツを入れ替えていろいろな動物モチーフの獣人を描くことができます。

 

動物にとても近い獣人ではありますが、私が以前描いた獣人の入れ替えポイントをまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

各ポイントにもあるように、見た目が動物に近くても、二本足で立たせて背筋をピンと良くするだけで、人のような印象を持たせることができます。

姿形が人に似ているものはもちろん、人と同じような動作ができれば、それはもう獣人です。

 

▼ヘビクイワシ

・背筋を人に合わせる
・首から上と膝から下をヘビクイワシに
・手首から先を人の手のような形に
・羽は手先と分ける

 

 

▼コウモリ

・背筋を人に合わせる
・脚を人の脚の形に
・ 指の何本かを羽から外して、物をつかめるように

 

 

▼シロクマ

・背筋を人に合わせる
・肩から先を人のような形に
・指を長くして人の手のように

 

 

▼ヘラジカ

・背筋を人に合わせる
・首から上と膝から下をヘラジカに
・上半身を人のような体に
・物をつかめる人のような手に

 

ファンタジーのキャラを題材に、デザインの発想法や表現の技法を解説!

実力派イラストレーター4人が何を想い何を考えどのような技法で描いているか、ラフから完成までを8枚のイラストのメイキングで解説します。章ごとにファンタジーキャラの職業や種族をテーマにしつつ、4人の描き方の基本、デザインの発想法、表現の技法、デジタルならではのテクニックを紹介します。世界を魅せるキャラを描くために大切なことがつかめます。

 

■目次

Character 1 狩人 …… 魅力的な女性キャラの描き方
Character 2 武闘家 ……キャラの躍動感と筋肉美を表現する
Character 3 魔法使い …… キャラに合わせた衣装デザイン
Character 4 賢者 …… キャラの老化を表現する
Character 5 剣士 …… 和テイストの衣装と妖怪のデザイン
Character 6 戦士 …… 迫力のある構図で描く
Character 7 獣人 …… 人と獣を融合してデザインする
Character 8 ドラゴン …… 架空の生き物をデザインする
■著者と使用ペイントソフト(50音順)

・つよ丸 …… CLIP STUIO PAINT、仕上げのみPhotoshop

・七原しえ …… CLIP STUIO PAINT

・もくり …… CLIP STUIO PAINT

・山村れぇ …… Photoshop

 

 

 

 

 

 

『「ファンタジーキャラ」描き方教室 デジタルで描く! 世界を魅せるキャラの技術』
(SBクリエイティブ)

 

 

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