イラスト・マンガ描き方ナビ > 意外と知らない話 > 同人誌のキホン⑥同人誌をデジタルで作る理由

同人誌のキホン⑥同人誌をデジタルで作る理由

039_同人誌のキホン6_001

『同人誌のキホン』第6回は、最近ずいぶん増えてきているデジタル原稿についてです。 なにが便利なの? と思う方に、デジタルで入稿する利点を解説します。

 

 

同人誌をデジタルで作ろう!

 

同人誌をアナログ(紙とペン)で描いて入稿することもできますが、便利なのは断然デジタルです。
デジタルの原稿なら同人誌を印刷する際も印刷所へオンラインデータ入稿ができるため、時間やコストを削減できますし、同人誌用に制作した作品をpixivなどのイラスト投稿サイトやSNSなどにも手軽に発表できます。
プロのマンガ家やイラストレーターも、アナログからデジタルに移行している人が多くいます。

 

 

アナログとデジタルは使う道具が違う!


アナログ

(原稿用紙、鉛筆、消しゴム、つけペン、サインペン、インク、筆、定規、スクリーントーン各種、デザインカッター など)

道具を揃える初期費用はデジタルよりも比較的少なく済みますが、いずれも消耗品のため定期的に補充するためのコストがかかります。

 

デジタル

(パソコン、ペンタブレット、CLIP STUDIO PAINT・Photoshop・SAIなどのグラフィックソフト)

道具を揃える費用はアナログよりも少し高くなりますが、一度揃えてしまえばその後のコストがかかりません。

最近はパソコンやタブレットの画面に直接描けるタイプのものもあります。

 

いきなりデジタルに移行するのはハードルが高いと思ったら、下描きやペン入れまではアナログで行い、パソコンにスキャナーで読み込んでから仕上げを行う…など、段階的にデジタルに移行する方法もありますね。

 

 

デジタルとアナログの同人誌を作る工程の違い

 

ネーム・下描き

ネームと下描きは、描きたいマンガのイメージを、大まかに描き込んでいく工程です。どの程度描き込むかは、人によって異なります。

 

アナログの場合は、紙に鉛筆で描いていきます。構図等を描きなおす場合は新しい紙を使うか、または消しゴムで消して描きなおします。

 

デジタルの場合は、レイヤーと呼ばれる透明な層に鉛筆ツールなどで描いていきます。間違えた場合にはショートカットキーでストロークを戻したり、消しゴムツールで消します。

 

ペン入れ

下描きの線を参考に、つけペン等で清書する工程です。

 

アナログの場合は、下描きの線を参考に付けペンで線を描いていきます。失敗してしまったときは、乾いてから修正液で修正します。線を描いていくときに線を擦ってしまわないように気を付けます。線が完全に乾いたら、消しゴムで鉛筆の線をきれいに消しますが、面積が広いうえにマンガの場合は複数ページため思っている以上に時間と労力がかかります。消したあとは、羽箒などで消しカスをきれいにはらいます。

 

デジタルの場合は、下描きのレイヤーの上にペン入れ用のレイヤーを作り、ペンツールで描いていきます。失敗してしまったときは、ストロークを戻るか、または消しゴムツールで消します。インクの乾きを気にせずに作業できます。ペン入れをしたあとは、レイヤーをワンクリックで非表示にできます。原稿に下描きの線や消し跡が残らないため短時間で原稿を作成できます。

 

 

↑デジタルのペン入れは、下描きレイヤーを一時的に非表示にして仕上がりを確認しながら作業できます。ただし、縮小や拡大が自由にできるため、実際に画面で見ていたものと印刷されたときのサイズ感や印象が多少変わる場合もあることを覚えておきましょう。

 

 

仕上げ(ベタ・トーン・効果)
ペン入れで線画ができあがったら、ベタ(黒く塗りつぶすこと)や効果線などを描き、スクリーントーンを貼って仕上げます。

 

アナログの場合は、墨汁やインクでベタを塗り、乾いてからスクリーントーンを貼ってカッターで切ったり削ったりします。はみ出した部分などは修正液で修正します。

 

デジタルの場合は、塗りつぶし(バケツ)ツールでベタを塗り、グレーで塗ったりトーンの画像を貼って仕上げます。グレーと同じようにスクリーントーン(網点)を塗れるソフトもあります。

 

 

デジタルで原稿を作るときに知っておきたいこと

 

カラーモード・表現色

カラーで印刷する場合は、RGBとCMYKの違いに注意します。

単色で印刷する場合は、グレースケール(黒から白までの256階調)を印刷すると、線がクッキリと印刷されなかったり色ムラや階調がきれいに表現できないことがあるため、基本的にはモノクロ2階調(白と黒の2階調)で原稿を作成します。

 

 

■フルカラー

およそ1677万色を扱える表現色です。人間の目で区別できるほとんどすべての色を扱うことができます。
カラーイラスト、カラーマンガなど、有彩色のある画像で使用します。

カラーの表現方法には、RGBとCMYKの2種類があります。

 

 

■モノクロ

1種類または2種類の色と、透明を扱える表現色です。完全な2階調のデータ(2値画像)を作成できます。

印刷用マンガのデータや、線画レイヤーなどで使用します。

 

 

 

■グレースケール

256色の無彩色を扱える表現色です。
黒と透明、白と透明、黒と白の組み合わせを設定でき、それぞれ 256段階に混色した色を使用できます。
階調のある白黒画像や、 Webサイトなどのディスプレイ上で表示するモノクロ画像で使用します。

 

 

 

解像度はカラーイラストとモノクロ原稿で違う

 

イラストとモノクロ原稿の解像度の違い

商業誌や同人誌など、印刷するカラーイラストは350dpi、モノクロマンガは600dpi/モノクロ2階調に設定するのが基本です。

モノクロ原稿の解像度が低いときれいなモノクロ2階調の原稿にならないため、印刷用のモノクロ原稿は600dpi以上にしておくようにしましょう。

 

 

■アンチエイリアスとモアレ
アンチエイリアスは画面上で線をなめらかで綺麗に見せるための処理です。カラーやグレースケールの原稿にはアンチエイリアスがかかっているため、画面上でなめらかに表示されます。

 

ところが、モノクロ印刷の際にカラーモードがグレースケールになっていると、線画やトーンでモアレ(模様)が発生します。

グレー部分を印刷する際、印刷では黒と白しかないため黒い点の間隔でグレーを表現しますが、その間隔を制御することができないためモアレなど予期しない印刷結果になる場合があります。

 

↑グレーを白黒に変換すると網点の形が均一でなくなり、モアレが出ることがあります。

 

モアレは、アンチエイリアスのかかっいないモノクロ2階調の原稿であれば発生しません。モノクロ2階調の原稿は、アンチエイリアスがかかっていないため画面上では荒くギザギザに見えてしまいますが印刷するときれいに表示されます。

 

 

「RGB」と「CMYK」の違い

フルカラーイラストは、CMYKまたはRGBという2種類のカラーモードによって表現されていますが、多くの印刷会社では、CMYKモードで作成されたフルカラー表紙を推奨しています。では、CMYKとRGBの違いとは何でしょうか?

 

■RGB

ComicStudioのカラーはこのモードで表現されています。RGBモードでは、Red(赤)、Green(緑)、BlueViolet(青紫)の3色を使って色を表現しています。「光の3原色」と呼ばれるもので、主にパソコンのモニターで表示するためのモードです。

 

 

■CMYK

Cはシアン、Mはマゼンタ、Yはイエロー、Kは黒のことです。家庭用プリンターのインクを思い出していただけると分かりやすいかと思います。プリンター用のインクはこのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で構成されています。インクと同じ色味にすることで、「パソコンで見ていた色と印刷の色が全く違う!」という事態を避けることができます。

 

 

 

まとめると 、RGB はパソコンのモニターで見ている色そのもので、CMYK は紙に印刷したときの色となります。

RGBで作成したデータをCMYKに変換すると色が沈んでしまうことが多いため、印刷用のカラーイラストはグラフィックソフトのCMYKモードで作成するとよいでしょう。

 

 

 

POINT  RGBモードでの入稿

表紙のデータ入稿の場合、以前はCMYKモードでの入稿が主流でしたが、最近はRGBモードで入稿したものをCMYKに変換してくれる印刷会社が増えています。

印刷会社では、DTPオペレーターが色を調整しながら、RGBからCMYKへ変換します。どうしても人の手と目に頼る作業なので、多少、自分がイメージしていた色と印刷された色が違う場合もあります。

 

 

<同人誌のキホン講座一覧> 
★第1回 同人誌と同人誌即売会について教えて!
★第2回 同人誌の形や印刷についての基礎知識
★第3回 同人誌を「本」にするための構成とは?
★第4回 同人誌表紙印刷の種類と特徴が知りたい
★第5回 同人誌の原稿用紙は表紙と本文で違う?
★第6回 同人誌をデジタルで作る理由
★第7回 同人誌の原稿を印刷所へ入稿する!
★番外編 コピー本の作り方を教えます!

CRIP STUDIO PAINT EX

このカテゴリの今日の人気記事

おすすめ記事

CRIP STUDIO PAINT EX
CRIP STUDIO PAINT PRO
初心者のためのマンガ制作講座

必要な道具、制作の流れなど、デジタルで漫画を描くのがはじめての人向けの基本的な情報をお届けします。

マンガ上達講座

漫画制作のクオリティやスピードをさらに上げる、上達のためのさまざまなテクニックをご紹介します。

プロ漫画家のお仕事

現場で活躍されているテクニックや漫画家さんの素顔に迫る記事など、プロの仕事に関する情報をお届けします。

便利情報

ジャンルにとらわれない、作品制作に役立つさまざまな情報などをご紹介します。