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【デビュー作がアニメ化!!】ハナマルオ先生が語るデビュー秘話&ヒット作品の作り方

『スカケダ』ハナマルオ先生インタビュー

ティーンズラブ(TL)作品として異例のテレビアニメ化を果たした 『スカートの中はケダモノでした』。その原作漫画を大好評連載中の作家、ハナマルオ先生に直撃インタビュー!漫画未経験の新人作家がいかにしてデビュー⇒大ヒット⇒アニメ化を勝ち取ったのか?そこにいたるまでの経緯や超人気作品を作り出すためのテクニックを大公開!

 

 

次はあなたの番かも? ハナマルオ先生、連載までの軌跡

 

Q: 漫画家としての歩みは編集部への「持ち込み」や漫画賞への「投稿」から始まることが多いと思います。デビューする前の状況を教えてください。

 

漫画家というのは、作品を漫画雑誌などの漫画賞に送って受賞しないとなれないものだと認識していたのですが、広告で漫画家を無期限で募集している会社がたくさんある事を知って興味を持ちました。

 

でも、私にはこれまで一枚絵は描けても応募できるような漫画作品は一つもなかったので、そのためのサンプル漫画を描くことにしました。製作期間を一か月と決めて、ジャンルは画力向上と女の子がたくさん描けて、かつ気に留めて貰えるであろうティーンズラブ。

 

絵を描いたり物語を作ることは大好きでしたが、漫画を描くための技術や道具など、ほとんど知識がなく、モアレ、ノンブル・・・など横文字覚えるも苦手なので知識はそっちのけで、とにかく漫画と認識してもらえるように描いてました。

 

そしてエッチシーンは描くのも考えるのも初めてで恥ずかしくて奮闘しましたが、恥ずかしくなければ面白いわけない・・・と自分に言い聞かせていました。

 

一か月経ち、見せ場のエッチシーン以外はネーム状態。

 

この時点で期限までに描くことができない自分にはやっぱり無理なんだ…、と思いつつも描いたものにはすでに愛着があふれていて、悪口でもなんでもいいから私の絵を見て欲しいので未完成のエロ漫画を当時募集のあった数社に送りました。

 

本当に図々しく失礼だったなと今でも思います。この場を借りて、申し訳ありませんでした。

 

そして次々と審査に落ち、連絡すら貰えない所もあり、当然だとあきらめていたところにデビューした会社(ウェイブ)だけが連絡のやり取りを続けてくださり、連載へとつながりました。

 

漫画をちゃんと完成させたことが無い事も伝えましたが、すごく励ましてくださり、サンプル漫画に関してはむしろほめていただき、勇気づけられて、迷いなくティーンズラブへと踏み込めました。

 

▲『スカケダ』1話より

 

 

 

Q: ウェイブでは漫画原案は編集部が用意していますが、これについて初めはどう思われましたか?実際に『スカケダ』や連載2作目の『初エッチのお相手は…まさかの包帯男!?』の原案を読まれたときの感想なども交えて教えてください。

 

原案をいただく前に自分で作った話を見てもらいたいと思ったのですが、まずティーンズラブのジャンルの中身を知らなかったんです。

 

応募時、執筆希望ジャンルの項目の中にTLがあったんですが、BLが横にあったので、百合かな、と勝手に思い込み軽い気持ちでチェックしていました。

 

TLを執筆することが決まってからジャンルの中身を知り、他の作品読んで勉強して、それからいくつか話を考えて提出しました。

 

「あまり受けはよくないかも」「わかりにくい」等、こてんぱんにされたのですが、具体的に指摘してもらった事で今読者さんが求めているモノや情勢が理解できたんです。それは私のような描き手初心者にはとてもありがたい事で、この段階では編集さんにすべてをゆだねて原案をいただくことにしました。

 

でも原案を読んだ時は意外にも作品に対しての情報量が少なかったのに戸惑いました。どこからどこまでを自分で決めてしまっていいのかわからず、名前やキャラデザや設定など、決めすぎてもソコまで続くかも分からない段階だったので恐る恐る提出していました。

 

原案には『スカケダ』も『包帯男』も、街コン、アイドル等が織り込まれていて、自分がまったく興味のなかった世界を組み立てていく難しさがありました。

 

あっ、でも女装や制服は大好きなので、そこまで気にしてなかったかもしれません…。

 

『スカケダ』に関しては、自己紹介を送った際に得意分野の欄に女装を記入したのを見てくれた方がくれた原案だったので、何がキッカケでご縁につながるかはまったくわかりませんね。

 

 

 

Q: 『スカケダ』は雑誌掲載ではなくWebの有料配信という形式の作品です。こういった無料掲載ではないWeb配信については執筆開始当初、どの程度ご存知でしたか?

 

ちょっと刺激のある作品、という事で有料web形式なんだな、という認識でした。

面白そうだったり、可愛い女の子がいれば紙でもwebでも関係なく読んでました。

 

 

 

Q: Web有料配信はずばり作家さんにとってどんなメリットがあるのでしょうか?

 

お金でいえば、ダウンロード数に応じて印税発生、ダウンロード数で反響が分かる点。

でも作家として嬉しいのはデータなので絶版がなく半永久的に作品が残る事、反響があれば紙になりますし、我が子のようなコミックを触ったり嗅いだり出来るのは本当に嬉しいです。

 

 

 

Q: 連載決定後の日々についてお聞かせください。楽しかったことや苦労したこと、これから描かれる方の参考に「デビュー前には予想外だったこと」などをお聞かせください。

 

正直、送った未完成のサンプル漫画でよく連載をさせてくれる気になったものだとずっと不思議でなりませんでした。

 

漫画を1話でも完成させたことが無いド素人が連載なんて会社にデメリットしかないんじゃないか・・・そう思うと本当に申し訳なくて・・・。ひたすらに、最低限漫画っぽく見えるものにしなくては!ていう焦りで一杯でした。

 

スカケダの1話は、初めてきちんと期限内に完成できた漫画原稿なんです。

予想外だったことと言えば、しばらく漫画描いていて気づいたのですが、描きながら人生終えたいくらい自分が描くことが好きな[描き馬鹿]だという事に気づきました。

 

▲『スカケダ』1話より

 

 

 

Q: 『スカケダ』アニメ化はどういった経緯で決定したのでしょうか? 当時の状況やお気持ちなどもお聞かせください。

 

いつも通り仕事していたら担当さんから連絡がありました。

 

最初はどんな冗談か人違いかと思ったくらい唐突だったのですが、本当のことだと認識してからは記憶がありません。

相当嬉しかったんですが内容が内容(TL)なので、それ以上に「いいの?大丈夫なの?」っていう心配が大きかったです。

 

 

 

Q: ずばり漫画家になるためには何が必要でしょうか? デビュー前から取り組んでおくべきことなどアドバイスをお願いします。

 

デビューできると思っていなかったので何も意識して取り組んでいませんでした…。

 

応募する前は漫画だけじゃなくて、アニメーションやフリーゲーム等、作品として出せるものなら何でも挑戦していた時期でした。

 

でも絵は毎日アナログでもデジタルでも描いていて、コピー用紙に物語の設定とか、カラーボックスに入りきらないくらい詰め込んだり、100円ショップの無地のノートには表紙に使い始めた日付、描いてみたいポーズやシーン描きたいものを描きたいだけ毎日描き続けて、ページがなくなると新しいノートに使い始めた日付・・・と永遠にこれを繰り返していたため部屋が莫大な数のノートと紙であふれました。

 

うまくなりたいとか何も考えないでただひたすら描いているだけでも、古いものから順に見ていくと「上達してるんじゃないか?」と思えたので、たくさん描くこと、続ける事は必要だったんだと思います。

 

 

 

これが人気の秘密!?ハナマルオ先生流 ティーンズラブ作品マル秘テクニック

 

Q: ティーンズラブ作品を描かれるにあたり、心がけていることを教えてください。

 

描写面では、表情は豊かに温かみ柔らかみのある動きや肌、生を持たせる、を目指して意識はしていますがまだまだ修行中です。

あと女の子はとにかく可愛く、です。

 

表紙のような一枚絵にキャラ2人を描く場合、イチャラヴな日常空間に外から見ている人の存在を意識させたくないため、どんなにヤラセ演出でも撮影感を出さないために絶対にカメラ目線にはしません。

 

ただ、キャラ1人の場合は、目線の先が愛でる相手だと思わせることができるのでカメラ目線で描く事もあります。

 

現代の恋愛漫画ではありますが、感情移入や自己投影を考えるのが苦手なので、同情してもらえるファンタジーを意識してます。

 

なので、読む人には友達を見守る立場のような感じでキャラを好きになってくれるのが一番の理想なのですが、ティーンズラブとしては難しくてよく指摘されて修正しています。

 

喜んでもらえるものを描く事が第一ではありますが、キャラの性格から行動を予想して話を進めるスタイルなので、読者さんが私の作品で共感してくれることはすごく貴重です。ありがとうございます。

 

▲『スカケダ』8話より

 

 

 

Q: ずばり読者をドキドキさせるには何が必要でしょうか?

 

むっ、難しいですね・・・。個人的にはメカや巨大建造物を見るとドキドキするんですがベクトル違いなので、個人に対してドキドキする場面を考えるのが本当に本当に本当に難しいです。

 

エッチなシーンは特に毎回頭を抱えていて、ドキドキさせるというよりもキャラクターが心底相手を愛していてこの性格からどう愛でていくのか・・・を考えてるんです。

 

その過程が運よく読者さんにドキドキして貰ってるのかなと・・・、ドキドキして貰えてるんですかね・・・?

 

自分のドキドキ体験などはまったくアテにならないため、必要な情報として男女問わず他人の恋愛経験談には物凄い刺激されてる気がします。

 

漫画のような綺麗なものじゃなくて、リアルは生々しく人間臭くて尊いです。

なので恋バナを聞くのはよい事だと思います。もっと資料が欲しいので誰か私と恋バナしてください!

 

 

 

Q: 男性キャラをかっこよく描くコツはありますか?

 

これもまた・・・本当に難しいです・・・。でも男性は、キリっとしてるより、ニコっとしてる方が好きなのでよく描いてる気がします。

 

骨格や幅とかリアルの男性を意識して描いた事はなくて、あくまでも絵。2次元寄りなんで、本人の男性への好みで大きく描き方やコツは別れるんじゃないでしょうか。

 

私の初恋はシャーロックホームズなのですが、決まったビジュアルのない空想の人物なので、好みが2次元寄りになったのかな…と思ってます。

 

三国武将や世紀末キャラが好きな時期は濃いおじさんばかり描いていましたし、今は基本的に女の子が好きなので中性的な男性キャラになっているのかな。なので自分の好きをハッキリさせるのは大事ですね。でもカッコいいはいまだによく分かっていません、すみません。

 

 

 

Q: 描いている時に一番楽しいシーンはどこでしょう?

 

キャラの表情です。喜怒哀楽以外にも、言い表せないような歪んだ顔や何とも言えない一つ一つの感情に合った顔を描いてるときは、「キャラが生きとるー」という気持ちになり本当に楽しいです。

 

あとはフキダシ、一番気が楽です。

 

▲『スカケダ』3話より

 

 

 

Q: 実は現在もまだ試行錯誤中というポイントがあればお聞かせください。

 

漫画を描く事自体に全然慣れません…。ダイナミックなコマ割り、トーンの使い方、構図、比喩描写、考えたくても時間が足りなくて毎回ワンパターンな気がして読者さんを飽きさせてないか不安です…頑張ります。

 

 

 

Q: 最後に漫画家志望の皆さんにメッセージをお願いいたします!

 

漫画家になるともれなく不健康になります。腰痛持ちになり、軽く体操すると筋肉痛、何もしてないのに風邪ひきます。確定申告面倒だし、睡眠不足、プライベートの時間はないです。普通に生きたければ別の職にしましょう。

 

よし、これだけ書いとけばライバルは減るんじゃないでしょうか。

 

すごく大変だけど漫画を描きながら生きていけるなんて本当に幸せです。

小さな頃から漫画家に憧れていましたが歳を重ねるにつれて将来への不安の方が勝っちゃって、親も漫画家になることは猛反対だったため、周囲のすすめで保育士になりました。

 

ですが今では対象年齢がだいぶ上がりスケベな絵を描き漫画家と名乗っているんですから本当に不思議です。

それまでの経緯ははしょりますが、一度二度、夢をあきらめた事がいい選択でした。

 

ぺーぺーの私が言うのもおこがましいのですが、夢をあきらめられる内はまだチャンスです、豆腐メンタルもそのうち化石くらいにはなるでしょう。

 

ありがたい事に漫画家には資格も制限も何もないので、あせらず、そしてたくさん可愛い女の子を描いていってください。

 

 

インタビュー記事提供:『株式会社ウェイブ』(https://wwwave.jp/)

電子コミック出版事業やスマートフォン事業を2010年より開始。
フルカラーという強みを生かした『コミック維新』、TL・BL・メンズに精通した『スクリーモ』のレーベルにて、電子コミック市場のニーズにあったオリジナリティのあるコミックを多ジャンルにわたって制作しています。
また、出版社直営電子コミックサイト『Comic festa』を運営しており、オリジナル作品など日々更新しております。

 

 

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