【スーツ男子の描き方講座】男を100倍カッコよく見せるスーツの秘密

スーツ男子の描き方講座

スーツを着た男性は不思議と素敵にみえるもの。イラストやマンガでもスーツ男子の「色気」をきっちり表現したいですよね。 そこで今回は、人気書籍 『スーツ男子の描き方 スーツの基礎知識&写真ポーズ650』(ホビージャパン)から、スーツの描き方を特別掲載いたします。

はやわかり!描くときに気をつけるべきスーツ着こなしルールまとめ

 

ビジネススーツ、着こなしのルールを知ろう!

 

会議をしたり、大事な商談をまとめたりといったビジネスの場では服装のマナーが求められます。マナーに沿った装いを描くと、「デキるビジネスマン」の雰囲気が演出できます。

 

まずはその着こなし方の意外なルールをご紹介します。

(※図はクリックで拡大)
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テーラーが教える美しいスーツの形とシワ表現

 

良いスーツとくたびれたスーツの違いを知ろう

 

もともとスーツは社交の場の礼服。

人と向かい合って立った時にシワが少なく一番美しく見えるように仕立てられています。

 

着る人の体の寸法をきっちり測って作られたオーダースーツは、思わず目で追いたくなるような、なめらかで美しいラインを描きます。

 

一方、くたびれたスーツや体に合っていないスーツは、体のラインをデコボコに見せてしまいます。

違いを比較してみましょう。

 

 

 

■胸まわり■

ビジネスマンが人と向き合う時、最初に相手の目に留まるのが胸まわり。

 

そのためテーラーでは、胸まわりに極力シワが出ないよう仕立てます。

 

ボタンを留めた時、胸に至らないくらいのほどよいシワが入る程度がベストです。

 

 

 

また、良いスーツはラペルの折り返しの下部分が美しく浮き上がっています。

 

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スーツがきついと、ボタンに向かって引っ張られるシワがたくさんできます。
また、肩まわりの寸法が合っていないと、わきのあたりにシワが出ます。

 

 

姿勢によってできるシワもあります。

猫背の人が合わないスーツを着るとわきの下に前下がりのシワ、反り姿勢の人は後ろ下がりのシワができます。

どちらもあまり描かない方がエレガント。

 

 

■背中■

着る人の体格に合ったスーツは、背中が色気のある優美なラインを描きます。

 

  

 

一方、体に合わないスーツを適当に選んで着ると背中の布が張ったり余ったりしてよけいなシワができます。

大きすぎるスーツは縦にたくさんシワが入ります。

 

オーダースーツは、着る人の体格に合わせてミリ単位で型紙を調節し、生地を裁断・縫製します。

そのため体のラインに無理なくフィットし、無駄なシワが少なくなります。

 

 

■首まわり■

体にフィットしたスーツは、首まわりの段差が少なく美しいうなじになります。

 

しかしサイズが合っていないと、えりの下にデコボコが出て見苦しくなります。

 

 

 

■そでまわり■

そでは前方に向かってややカーブしています。
腕を下ろした状態ではシワが少ないのが理想。

 

ある程度のシワはどうしても出ますが、極端にシワを描き込みすぎるとよれよれに見えるので避けます。

 

 

■パンツ■

スーツのパンツはクリース(折り目の線)がまっすぐだとスマート。

股下や太ももに横方向のシワが多いときついデニムのように見えます。

また、ひざ裏に横シワがつくことがありますが、これは「宴会シワ」と言って長時間座った時のシワなので避けたほうが◎。

 

★シワは少ないのが理想。でも……動けばシワは出る!

以上のとおり、スーツは極力シワが出ないように作られています。

 

しかし、それはあくまで立ち姿のこと。激しい動きをすれば当然シワは出ます。

 

シワの少ないスーツでたたずむ紳士然とした姿と、激しいアクションでシワのできたスーツ姿。

シーンに応じて描き分けると、キャラの魅力がより引き立つことでしょう。

 

 

 

代表的なスーツスタイル

 

国によって異なるスーツの特色

 

イギリスで誕生したスーツは世界各地に広まりましたが、中でもイギリス・イタリア・アメリカのスーツを3 大スーツスタイルと呼びます。

 

日本では、これらの国の特徴を組み合わせたスーツが広く流通。近年はイタリアスタイルをベースにしたものがポピュラーです。

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イタリアのスーツは、くつろいだ雰囲気と男のセクシーさが同居するモテ男スタイル。

 

肩ひじ張らない男の色気を演出するスーツなので、明るいイケメンキャラ、軟派キャラ、ちょいワルオヤジによく合います。

 

 

 

●雨降り袖

イタリア・ナポリのスーツには、わざと肩にシワを作った「雨降り袖」もあります。
着心地が良くリラックスした雰囲気。

 

 

●重ねボタン

そでのボタンを重ねることでアクセントをプラスしたもの。

イタリア発祥のディテールです。

 

 

●バルカポケット

下の部分が船底のようにカーブしているポケット。

胸板のカーブに麗しくフィットし、セクシーさ満点。

 

●本切羽(ほんせっぱ)
そでが開く仕様を本切羽と呼びます。

腕まくりがしやすく、独自のおしゃれが楽しめます。

 

現在の日本の若者向けスーツは、イタリアベースのものが多め。

ウエストの絞りがカッコよく、それでいてイギリスほど堅苦しくない点が好まれる理由かも。

 

 

 

 

スーツ発祥の地イギリスのスーツは、かっちりとして男らしさが強調されるデザイン。

 

紳士キャラはもちろん、有能ビジネスマン、クールな実力派キャラによく合います。

 

 

反面、チャラい系キャラが着ると「ちょっと窮屈で苦手」と感じるかもしれません。

 

 

 

●カフリンクスをつける

かつては貴族が召使いにつけさせていたという、そでの装飾カフリンクス。

英国紳士には欠かせないアイテムです。

 

 

●レジメンタルタイ
もともとイギリス軍の連隊旗だった右肩上がりストライプ。

 

縞の柄の違いによって出身校や身分を示すこともありますが、そこまで追求しないマンガやイラストではお好みの柄で良いでしょう。

 

 

●サスペンダー
クラシカルな英国紳士はベルトを使わずサスペンダーでパンツを吊ります。
クレリックシャツと合わせてもおしゃれ。

 

 

イギリススタイルがベースのスーツは、現在の日本ではイタリアに次ぐ人気。
イタリアのスーツより腰の絞り位置が高めで、かっちりしたデザインを好む若者に選ばれています。

 

 

 

アメリカのスーツの大きな特徴はウエストの絞りがないこと。

 

どんな体格の人でも着やすいよう合理的にデザインされたものですが、スクールボーイ的な親しみやすい魅力があります。

 

 

健全印の好青年、育ちのいいおぼっちゃんキャラ、ちょいワルになりきれないおじさんキャラに合います。

 

 

●段返り3つボタン
一見すると2つボタンのようですが、よく見るとボタンホールが上にひとつ。
一番上のボタンがラペルに隠れた3つボタンで、真ん中だけを留めます。

 

 

●レジメンタルタイ
イギリスの右肩上がりレジメンタルタイに影響を受け、アメリカでは右肩下がりのレジメンタル(リバース)タイが誕生。
ただし近年の流行は右肩上がりがやや優勢。
マンガやイラストで描く場合はお好みで。

 

 

●ボタンダウンシャツ
えりの端をボタンで留める、上品カジュアルなシャツ。
アニメでは『ルパン三世』の次元大介のシャツとしておなじみ。

 

 

●そで2つボタン
アメリカのエリート学生ファッション「アイビー」テイストのスーツに多いディテール。
ボタン少なめですっきりした印象。

 

 

現在、日本の若者向けスーツ店で見かけることは少ないスタイル。
とはいえ、はっきりとした個性があるのでキャラの描き分けに適しています。

 

定期的に良さが見直されるスタイルなので、今後またトレンドに復帰する可能性も。

 

※本記事は、ホビージャパン社の『スーツ男子の描き方 スーツの基礎知識&写真ポーズ650』から一部を抜粋して特別掲載いたしました。

 

『スーツ男子の描き方 スーツの基礎知識&写真ポーズ650』
(紹介文より一部抜粋)
デザイン・着こなし・キャラにあわせたコーディネイトなどスーツを描くための基礎知識が満載!
さらに高身長モデルによる写真ポーズ集 & トレースフリーのスーツ男子写真をCD-ROMに650点収録!
■プロが教えるスーツの基礎知識
メンズスーツに関する基礎知識をオーダースーツのテーラー監修のもと徹底解説。デザインによるバリエーションや、身体にフィットした美しいシルエットの出し方、シワの入れ方、スーツの所作と着こなし――など、スーツを描くために必要な知識を、この一冊に収録しました。

 

カバー絵

 

 

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