【メイキング】天使界隈イラストを描いてみよう!

ふわっと儚くてちょっとサイバーな「天使界隈イラスト」の描き方をやさしく解説。天使界隈ならではの色使い、ジャージメイド・天使の輪などのファッションアイテム、デジタル感を取り入れたSNS映えする背景の作成方法などを知って、個性と魅力あふれる天使界隈イラストを描いてみましょう!
目次
天使界隈ファッションって?
天使界隈ファッションは、天使をイメージした儚くてかわいいファッションスタイルです。
「水色界隈」と呼ばれることもあり、水色や白などの淡い色合いがよく使われています。
フリルやリボン、ハートといった甘めのアイテムに、天使の羽や輪っか、星、雲など、天使や空をイメージさせるモチーフがたっぷり使われていて、全体的に「ゆめかわ」感があります。
そこに、サイバーパンク風のアイテムや、ドット絵風のモチーフなど、デジタルっぽいアクセントを加えるのが天使界隈らしさのポイントです。
甘さの中にちょっぴり未来感も感じられる独特な魅力が話題になり、SNSで目にすることも増えてきました。そんな天使界隈ファッションはイラストのテーマにもぴったりです!

ゆめかわ:夢の中のようにふわふわしていて、かわいらしい世界観
ピンクや薄いパープルなどの淡いパステルカラーを中心に、ユニコーンや星、リボン、ぬいぐるみ、キャンディなどのモチーフが多く使われ、ファンタジックでメルヘンな雰囲気が特徴です。
サイバーパンク:テクノロジーが発達した未来をモチーフにした世界観
ファッションでは、ストリートっぽい厚底スニーカーや、オーバーサイズのジャケット、ゴツめのベルトやハーネスなどがよく使われます。彩度の高い水色やピンクなどのビビッドな差し色を入れることで、未来感のあるおしゃれな雰囲気になります。
天使界隈アイテム
天使界隈ファッションを描くときに大切なのが、アイテムの組み合わせです。
たとえば、淡い色合いやフリルなどの甘めなディテールに、厚底のスニーカーや、しっかりとした素材のベルト・ハーネスといった重厚で存在感のあるアイテムをプラスすることで、天使界隈らしいバランスのコーディネートが完成します。
ここからは、天使界隈ファッションでよく使われるアイテムについて紹介していきます!
ジャージメイド
天使界隈では、ジャージとメイド服を組み合わせた「ジャージメイド」風の着こなしがよくテーマになります。
たとえば、水色のジャージに白いエプロンを合わせるだけでも、簡単に天使界隈ファッションが描けます。
肩ひもの部分にハーネス風の金具をつけたり、首元に羽のチャームをつけたりすると、より天使界隈らしい雰囲気がアップします。
さらに、ジャージの袖を少しオーバーサイズに描くことで、キャラクターの幼さや儚さもぐっと引き立ちます。

セーラー風パーカー
セーラー服風の大きな襟がついたパーカーなども人気です。襟元や袖に大きめのフリルをつけたり、アクセントになるベルトをつけたりするのが天使界隈風の着こなしです。
ジャージ同様、ややオーバーサイズにして袖を余らせるとかわいい雰囲気に!袖や胴の部分に太めのラインを入れるのもおすすめです。

ルーズソックス、レッグアイテム、厚底ローファーなど
天使界隈風ファッションの足元は、ルーズソックスとスニーカーの組み合わせや、厚底ローファーなど、ボリュームがあるのが特徴です。
また、ガーターリングやソックスなどはアシンメトリーにすると個性的な雰囲気や、不思議ちゃんな感じの演出ができます。

天使界隈ヘアアレンジ
天使界隈ファッションに合う髪型を描いてみましょう。
サイドツイン、ツインテールなど両側で髪を結ぶヘアアレンジをすると、幼さや無垢さが出せておすすめです。
髪色は白系、青系、黒髪などにすると水色系統の服装にマッチしてキャラクターにまとまりが出ます。差し色のメッシュでアレンジしたりツートンカラーにしても個性的で目を引くキャラクターになりますよ。

天使界隈ファッションは、アクセサリーが多いのも特徴です。ヘッドドレス、ピン留め、チョーカーなど、顔周りを様々な装飾でデコレーションすることでキャラクターのかわいさをもっと引き出してみましょう!
モチーフとしてよく使われるのは、羽やリボン、ハートなどのガーリーでかわいいアイテムです。ピン留めの形をばってんにしてみたり、なみなみにしてみたりと、ちょっとした工夫を加えることで、自分らしいキャラクターに仕上げることができます。
天使界隈イラストメイキング
今回のメイキングでは、天使界隈ジャージメイドの女の子を CLIP STUDIO PAINT で描いていきます。
STEP1 イラストの全体像をざっくりとカラーラフに
新規キャンバスを作成して、カラーラフを描いていきましょう。
今回はSNSに投稿することを想定して、キャンバスのサイズもそれに合わせて設定していきます。
縦長・横長過ぎる画像はSNSに投稿した際イラストが見えにくいことがあります。投稿したときにイラストがきれいに見えるよう、各SNSに適しているイラスト比率を調べておくと安心です。
今回はXへの投稿に向いている3:4に近い1900×2400pxのキャンバスを作成しました。

前の章で紹介した「ジャージメイド」と「サイドツイン」を組み合わせたキャラクターをメインに、カラーラフを描いていきます。
天使界隈ファッションは小物や装飾がたっぷりなので、最初にキャラのポーズをざっくり決めてから、髪型や服、アクセサリーを足していくと描きやすいです。
背景
イラストの雰囲気がつかめるように、色やモチーフを軽く入れておきます。サイバー風のウィンドウなども、仮に配置しておくと構図のイメージが固まります。
色
この段階ではざっくり塗るだけでOKです。水色をメインに使って、ジャージや髪の毛、目などイラストのさまざまなところに水色を取り入れていきましょう。
装飾
天使の輪や星のデコレーションには、淡い黄色など水色以外の色も少し入れると、全体の印象が単調にならず、バランスがとりやすくなります。
このカラーラフをもとに、次のステップへ進めていきます!

STEP2 カラーラフをもとに線画を描く
カラーラフを参考に、線画を作成します。
この工程では、顔や髪の毛 → 下に着ているジャージ → メイド服 という順番で線画を進めています。
あとから付け足す装飾で隠れてしまう部分も、土台となる服はあらかじめ描いておくのがおすすめです。そうすることで、装飾を加えたときに全体のバランスがとりやすくなりますよ。
儚げな雰囲気を出すために、線画にはカチっとしすぎない、水彩っぽいやわらかい質感のブラシを使っています。
今回は、CLIP STUDIO ASSETSでダウンロードできる以下の素材集から[水多め]ブラシを選びました。
■ペン・ブラシ_Ver.1.10.9
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1842019
・ジャージ
ジャージは天使界隈らしい雰囲気が出るように、少しオーバーサイズ気味に描いてみました。
袖は肩のあたりでカットされたデザインにして、アームカバーを組み合わせることで、少し個性的なアレンジにしています。
首まわりや袖口は、実際のジャージを参考にして、きゅっとすぼまった形にしました。さらに縦線を入れることで、ジャージっぽさがしっかり伝わるようになります。

・メイド服
エプロン状になっていることを意識しつつ、メイド服を描いていきます。
最初に肩紐の部分を描いてから、フリルを付け足していくとバランスよく描きやすいです。

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小物以外の人物の線画が完成しました!

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STEP3 キャラクターに色を塗る
キャラクターの線画が描けたら、次は色を塗っていきます。最初に肌、髪、ジャージなどのパーツごとにベタ塗りで塗り分ける下塗りを行い、そのあと陰影をつけていく流れで進めます。
・下塗り
[塗りつぶし]ツールや[ペン]ツールの[Gペン]サブツールなど、均一に塗りつぶせるツールを使い、全体を水色や白基調に塗り分けていきます。キャラクターに淡い色が多いので、下塗りの時は背景の色を暗めに設定しておくとどこまで塗ったかがわかりやすくなります。

水色に塗ったジャージ部分では、胸元や袖口、すそなどに白いラインを入れると、よりジャージ感を出すことができます。

・影とハイライトを塗る
次に、影やハイライトを塗っていきます。
フリルのやわらかい質感を出したいときは、カチッとしすぎない水彩系のブラシがぴったりです。今回は、線画でも使った[水多め]ブラシのサイズを大きめにして、影の塗りにも使っています。
影の色には、ただのグレーではなく、水色や紫っぽい色を選び、レイヤーの合成モードを[乗算]や[焼きこみ(リニア)]にすると、影に透明感や立体感が出ておすすめです。
フリルの影は、全体を均一に塗るのではなく、形に沿ってやさしく影を入れていくのがポイント。たとえば肩ひもの近くは少し濃いめに、外側に向かってふんわりと薄くしていくと、自然な立体感が出せます。
さらに、影と光の境目にほんのり淡いピンクやオレンジを入れてあげると、色味が単調にならず、イラストに深みが出てきます。

キャラ全体に陰影がつきました!

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STEP4 装飾を描く
続いて、キャラクターをもっと天使界隈らしくするため服装や髪を様々な装飾でデコレーションしていきます。
・ベルトの金具
服装にベルトの金具を追加します。
首元やベルトなどについている金具は、レイヤープロパティの[境界効果]を使うと簡単に描くことができます。
ベルトについているハート型と丸型の金具の形を、線に強弱が付きにくい[ペン] ツールの[ミリペン] サブツールで描き、レイヤープロパティの[境界効果]をオンにします。
[境界効果]をフチ、[フチの太さ]を1.0、[フチの色]を紺色に設定します。


別のレイヤーにベルトを加筆して、金具の陰影をつけます。

・天使の輪
続いて天使の輪も描いてみましょう。金具を描いたとき同様、境界効果を利用すると簡単に描くことができます!
天使の輪のつぶれた楕円を[ミリペン] サブツールで描き、レイヤープロパティの[境界効果]をオンにします。
[境界効果]をフチ、[フチの太さ]を1.0、[フチの色]を茶色に設定します。

端の部分に線を足し、立体的に見えるようにして、水彩系のブラシで陰影をつけて絵になじませます。

・ピン留め
頭にピン留めを描いていきます。ピン留めは羽、なみなみ、パールがつながった形など、ゆめかわ系のモチーフを使用するとよりかわいさをプラスすることができます。
こちらも、[ミリペン] サブツールでなみなみの線や、丸が繋がった線を描き、境界効果で輪郭をつけています。

・ヘッドドレス
メイド感を表現するヘッドドレスを描いていきます。
ヘッドドレスはまず太いカチューシャのようにフリル以外の部分を描き、フリルを立体的に足していくと描きやすいです。

STEP5 線画の色トレス
キャラクターが描きあがったら線画の色を変える色トレスをします。色トレスをすることで、線画が塗りになじんでイラスト全体に統一感を出すことができます。

天使界隈ファッションのキャラクターが完成しました!
STEP6 背景をデコレーションする
キャラクターだけでは寂しいので、背景をデコレーションしてみましょう。背景の色合いやアイテムも、天使界隈感を出していくのに大切なポイントです。
まず背景を水色で塗りつぶし、少し濃い水色の四角形を配置します。

その上に、白い四角形を少しずらして配置します。白い四角形には彩度の高い水色のフチをつけてはっきりとさせます。

白い四角形だとすっきりしすぎてしまうので、タイル柄の素材を使用して情報量を増やします。今回はこの素材を使用しました。
■simple pattern
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1905475

次にウィンドウの素材を天使界隈らしい水色にして追加し、サイバー感を出していきます。今回はPCウィンドウのようなフレーム素材やドット絵のハートが収録された素材集を使用しました。
■デジタル風フレーム素材
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1812462

①ウィンドウの中を水色で塗りつぶす②レイヤーの合成モードを[焼きこみ(リニア)]にする③塗りつぶした部分の右端を柔らかい消しゴムでふんわり消すという3ステップで、画面が透き通り光っているようにアレンジできます。ぐっとサイバー感が出てきますね!

続いて、サイバー調でレトロかわいいドット絵のハートやトーン風のハートの素材を追加してデコレーションします。
■ハート トーン スタンプ
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1711905
■デジタル風フレーム素材
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1812462

最後にアクセントになる黄色の星の素材をキャラクターの上に配置します。
■コロコロ星屑ブラシ
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=2110865
天使界隈ファッションの女の子のイラストが完成しました!

ここで紹介した内容は天使界隈ファッションの一例になりますので、ぜひ皆さんも自分なりの天使界隈ファッションを描いてみてくださいね。