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【スポーツ経験の活かし方と注意点!】二宮裕次先生に聞くスポーツ漫画の描き方!!

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漫画作りの極意を連載中の先生から伺うこの企画。今回は週刊ヤングジャンプにて野球漫画『BUNGO-ブンゴ-』を連載中の二宮裕次先生が登場!!読者を興奮の渦に巻き込むスポーツ漫画を生み出す秘訣を、3人の新人漫画家が探る!!! ヤングジャンプ新人漫画賞「シンマン賞」大人気企画からインタビューを特別掲載!

週刊ヤングジャンプにて話題沸騰中の野球漫画「BUNGO-ブンゴ-」の二宮裕次先生に新人漫画家3人がお話を伺います!

 

小野、暁水、溝川:二宮先生、よろしくお願いいたします。

 

二宮先生(以下、二宮)よろしくおねがいします!

 

溝川:二宮先生はこれまで一貫してスポーツを題材に描かれているのですか?

 

二宮:そうですね、「BUNGO」まではずっとバスケットボールを題材にしていました。

 

暁水:野球はどのくらいやっていましたか?あと描く上で、競技経験の有無はどれほど重要でしょうか?

 

二宮:野球は小学校までです。もちろん当時の経験だけでは描けないですが、ベース間の距離感などはわかります。

 

役に立っているとすれば、ポジションをたらい回しにされた経験ですかね。

ボクは脚が速くて肩が強かったんですけど、「フライが取れない」という致命的な欠点がありまして…。

 

捕手から内野、外野まで全てのポジションで試された経験は活きているかもしれないです。

 

他にもバスケットならコートの広さ感とか、やっていなければわからなかった部分はあると思います

 

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↑「BUNGO」よりキャッチャーの視点から投球を描いたひとコマ。

実体験が本物のリアリティを生む!

 

小野:話の展開についても、ご自身の経験から着想している部分はありますか?

 

二宮:あまりそれはない気がします。基本的には「このキャラクターならこうなるかな…」というところから考えていますね。

けど当時の経験が影響している部分も確かにあります。

 

今、「BUNGO」で吉見っていうピッチャーを描いているんですけど、彼のロージンバックっていう白い粉がでるやつをポンポンやる動作、あれは少年野球の相手チームのピッチャーから影響を受けています。

そのピッチャー、口ージンを沢山つけていたんですよ。肘あたりまで真っ白になるくらい!

 

 

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↑「BUNGO」より静央シニアのピッチャー吉見の描写。

細かな仕草にこそ描き手の経験が表れる。

 

小野:そういう昔の少年野球の記憶は風化したりしてないんですか?

 

二宮:結構残っていますよ!脚は速かったんですが打てなかったんで、サインは殆ど内野安打狙い「バント」でした。

 

あるとき珍しく「打て」のサインが出て、夢中でバットを振ったらこれまでなかったような打球が外野を越えていって。

 

少年野球って外野抜けたら殆どホームランになるんですけど、そんな当たり打ったことなかったので、二塁ベースにスライディングしてしまったんですよ。で、結局一二塁打止まり。せっかく打ったのに、監督から凄く怒られましたね。そういうのは鮮明に覚えています。

 

暁水:「このコースを打つのは難しい」みたいな、経験者にはわかるけどやっていない人には伝わり辛い部分を描くとき、工夫していることとかありますか?

 

二宮:基本的に野球を知らない人にもわかるように描いています。やっている人にももちろん楽しんでもらいたいですが。

 

例えば溝川くんがやっていたというハンドボール。僕は何対何くらいで決着がつくのかとか、一試合何分とか、交代していいのかとかわからないです。

 

自分の経験があるスポーツなら、「どこがわからないかわからない」状態になりがちなので、色々な人に見てもらうべきだとは思います。

 

溝川:なるほど。そこは経験があるからこそ注意しなければいけませんね!

 

二宮:前に野球の質問を女の子にしたことがあって、何人対何人でやるスポーツかすらわかっていなかったですからね。中には10人対8人ですか?みたいな人もいました!

 

溝川:人数が違う…!?全然フェアじゃない!

 

二宮:そういう人も居るので、おのずと知らない読者を前提にして考えていますね。

 

溝川:では逆に経験がないスポーツの方が題材にするには良いのでしょうか?

 

二宮:題材にするなら自分のやっていたスポーツか、自分の好きなスポーツを題材にするべきです。

 

どのシーンが魅力的なのかは、興味がなければわからないんですよ。

野球ならホームランとか三振の魅力はとりあえすわかってもらいやすいと思うのですが、外野からのバックホームや、牽制球でランナーをアウトにするといった場面とか・・・。

 

色々な「カッコイイ」と思えるシーンが自分の中にある題材にした方が良いと僕は思います。

 

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↑「BUNGO」のワンシーンより。自分が「カッコイイ」と思えるシーンが盛り上がりに直結する!

 

 

<作家紹介>

■二宮裕次

愛知県出身。2013年、週刊少年マガジンにてバスケット漫画『LASTMAN』(全3巻)で連載デビュー。その後2015年週刊ヤングジャンプ第3号より野球漫画『BUNGO-ブンゴ-」を連載中。主人公を中心とした、個性的なキャラクターと迫力ある描写で、本誌でも人気を博している。

 

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■小野祐平(左)

「復讐放送」で2015年2月期シンマン賞佳作を受賞。ダークな世界観は個性的だが、固いタッチを改善することが当面の課題。迫力ある絵を描く秘訣が知りたい。

■暁水辰矢(中央)

「progress」2014年10月期シンマン賞期待賞を受賞。幼き少女に関しては並外れたこだわりをもつ。空手経験があるが、漫画の題材として使うのに苦心している。

■溝川到(右)

シンマン賞での受賞を虎視眈々と狙う純情男子。かつてハンドボールで全国制覇を経験するなど、スポーツに対する愛は人一倍強い。二宮先生と同じ愛知県出身。

 

 

※本記事は集英社週刊ヤングジャンプ公式サイト内の月例新人漫画賞【シンマン賞】特別企画、『人気漫画家に学ぼう!』二宮裕次先生へのインタビュー第一週を特別掲載しました。

第二週~第四週でも引き続き新人作家さんたちが二宮裕次先生と対談!

キャラの立たせ方や影響を受けた作品の分析など第一線で活躍する先生の意見を伺います!

気になる内容はヤンジャン「シンマン賞」公式サイト(http://youngjump.jp/shinman/)をチェック!!9024bottom

シンマン賞特別企画 『人気漫画家に学ぼう!』 

(第24回 審査員:二宮裕次 新人漫画家:小野祐平、暁水辰矢、溝川到)

(C)二宮裕次/集英社 (C)小野祐平/集英社 (C)暁水辰矢/集英社 (C)溝川到/集英社

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