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観察系作品を描くために!「結崎さんはなげる!」鏡ユーマ先生のこだわり

結崎さんはなげる!に学ぶヒロイン観察コメディのコツ

新人漫画賞ショート部門から連載を実現させた鏡ユーマ先生に、漫画を描き始めたきっかけから『結崎さんはなげる!』の連載に至るまでを直撃インタビュー!ヤンジャン新人漫画賞「シンマン賞」人気企画から特別掲載!!

 

ショート部門で連載を実現!

 

あなたの隣の実践者。無料公開・無制限投稿可能時代を生き残るヒントがここにある?

 

 

[結崎さんはなげる!]作品紹介
とある高校の陸上部に所属する美少女・結崎さんの専門種目は…なんと砲丸!?
普段は物静かでクールビューティーな彼女が、汗水垂らして砲丸を投げる姿に、誰もがドキッと目を奪われ、そして少しほっこりする。
そんな結崎さんを中心とした“投げる陸上ヒロイン観察コメディ”。

 

 

結崎さんが“なげる!”まで。

 

● ショート作品を連載されている作家さんの中でも、最も新人作家さんに近い先生ということでなるべく率直なお話をお聞かせ願えれば幸いです。

 

わかりました。

お役に立てればよいのですが。(汗)

 

 

● お願いします!ではまず、好きな漫画・影響を受けた作品を教えてください!

 

10代後半に出会ったものですが、『うしおととら』『からくりサーカス』など、藤田和日郎先生の作品や、浦沢直樹先生の作品が好きでした。

 

 

● 漫画を描き始めたきっかけを教えてください!

 

ちょうどアルバイトが落ち着いてきて、「何か趣味が欲しいなあ」と思っていたところ、たまたま当時、ネットに“自分のイラストを投稿できるサイト”があったのを見て、もともと絵を描くのが好きだったので、じゃあ「絵をやってみようかな」と。

 

で、始めてみたはいいものの、上手な人の閲覧数が増えていく一方で、私はさっぱり。

もっと上手くなれば見てもらえるかな、と。

 

加えて、「一枚絵」を描いているよりも、漫画を描くほうが絵の上達は早いはずだ、と思い、45Pの原稿を描いたんです。

そうしたら、その作品で漫画賞をいただくことができて、「あっ…私、漫画家になれる!」と。(笑)

 

描き終わって振り返ると、描くのが楽しくなっている自分に気づいて、こんな話やあんな話も描いてみたいな、と思うようになり、そこからは現在まで一直線ですね。

 

 

● アルバイトはしていましたか?

 

映画館で働いていました。

 

いろんなジャンルの作品を観られたし、振り返ってみると「エンターテイメントを意識した初めての瞬間」だったと言えるかもしれません。

最近も映画をつけながら原稿作業をしています。

 

 

● シンマン賞はどちらで知りましたか?

 

最初の賞をいただいた後ですね。

 

内気な性格だからか、編集さんに連絡できないまま忘れられてしまうことも多くて…。

「じゃあ、ネットで連載しよう!」と思い立ったんです。で、ニコニコ静画で連載して、それをジャンプルーキーに載せて。

 

「でも、この作品ってヤンジャンの方が向いてるのでは?」と思い、調べると「あしたのヤングジャンプ」っていうサイトがあることを知り、「よし、じゃあここに出そう」と思ったんです。

でも、まだオープンしてなくて。(笑)

 

ローンチまで二か月くらい間があったので、その間に読切を一本描こうと思い、ヤンジャンの新人賞を調べて辿り着いたという流れです。

 

 

● 受賞作「結崎さんはなげる!」ですが、砲丸を題材にされた理由は…?

 

一度落選していて、その流れで担当さんに「とにかく可愛い女の子が出てくる漫画を描いてください」と言われたんです。

 

初めはストーリー漫画を作っていたんですが、打合せを重ねる過程で、さらに担当さんから「ミステリアスでギャップのある女の子を見る観察型、の作品にしましょう」と。

初めは「ストーカーのこと?」とびっくりしました。(笑)

 

その流れで、「鏡さん、ギャップのある経験を持ってたりしませんか?」と言われたので、「ちょっとだけ砲丸投げの経験があります」とお伝えしたら、「では、それでいきましょう」と…こういう流れです。(笑)

 

 

● 実際どの程度されていたんですか?

 

重すぎて、記録も出なかったのですぐ辞めちゃいました…。(笑)

 

 

● 受賞したときの事を教えてください。

 

とにかく必死に3話分のネームを作っていました。

 

どうやってお話を作ればいいのか、初めは全くわからなくて…。

しかも私的にはわりかし苦手なジャンルだったので、他作品を読み漁りましたね。

 

『富士山さんは思春期』とか『天野めぐみはスキだらけ!』とか『高校球児ザワさん』とか、たくさん研究しました。

 

 

● 研究…というと?

 

昔は、映画でも漫画でも作品を全部プロットに直して、どういうタイミングでこのキャラを出して、どういうタイミングでこの展開にして…と全てを洗いざらい紙に書いてました。

 

で、ある程度「土台ができたな」と思ったタイミングで、あえて何も考えないで読んだり、観たりしています。

その作品の「におい」「雰囲気」だけを感覚でつかむようにしたくて。

 

あと、フェチ系の写真集を買ってみたり、女の子の性癖にまつわる本とか、部活フェチ(?)とか、調べては読み、調べてはの繰り返しでしたね。

 

 

● 三話分作っていた時のお話を聞かせてください。

 

自分が何をやっているのかわからなくて、担当さんに「良いじゃないですか!」と言われても、私的には何が良かったのか全く分からず…。

 

担当さんは自分のやりたいことが明確だったので、アリ・ナシがハッキリしていたんだと思うんですが、打合せがあまりできず、四苦八苦していました…。

 

 

● 観察系を描きたい新人さんにオススメの作品はありますか?

 

京アニ系の作品ですかね。最近の萌えアニメで、パンチラがない作品はほぼ「フェチ」で攻めているので、参考になるはずです。

 

太股のシーンを大きめに見せたりと、仕草が上手だな、と思います。エロ以外でエロくする。『けいおん!』とか『たまこまーけっと』とか上手だと思います。

 

 

● こだわりを教えてください!

 

私の「エロいと感じるツボ」なんですが、「どうだ!エロいだろ!」とわかりやすく見せつけられたものよりも、一生懸命何かに向き合っている時にふいに見えちゃうシーンの方が、ラッキー感があってエロく感じるんですよね。

 

そういう目で見ちゃイケナイという背徳感もありますが…。

大人になれば「どうだ!」っていうものを頻繁に見ることも可能ですが、高校生ではなかなか難しいと思います。

 

普通の学生生活を送りながらパンチラを探したり、運動している子を見て「あ、今胸揺れたぜ」みたいなものを探しているような気がしていて。

私は、そこにこそ甘酸っぱさや新鮮さ、リアルさがあると思うんですよね。

 

この作品の魅力も、そういうリアルなところにあると思うし、もっともっと描いていきたいな、と思っています。

 

 

● 最後に作品の裏話を一つ聞かせてください!

 

あと、私自身、高校生の時に陸上部に入っていて、当時は楽しくて仕方がなかったんですが、3年生が引退した瞬間に、2年生も全員辞めて、1年生もぞろぞろ辞めて、最終的に3人しか残らなかったんですよ。

 

マネージャーと選手1人と私だったんですが、私以外の2人は漫画を読んで、一切練習しなくなって…。だから、私1人に…。

だから、 この作品には、当時の3年生がいた楽しかった頃をもう一度再現してみたいな、という気持ちも少なからず入っています!

 

 

● 鏡先生、有難うございました!

 

 

〈作者紹介〉

■ 鏡ユーマ

2016年、第29回シンマン賞佳作『結崎さんはなげる!』(ヤングジャンプ本誌)でデビュー。
同年32号より『結崎さんはなげる!』を連載スタート。

 

※本記事は集英社週刊ヤングジャンプ公式サイト内の月例新人漫画賞【シンマン賞】特別企画、『編集者Presents連載作品のここがすごい!!』「結崎さんはなげる!」の第1週「結崎さんが“なげる!”まで。」を特別掲載しました。

 

第2週~第4週でも引き続き担当編集者が「結崎さんはなげる!のここがすごい!!」を解説します。気になる続きはhttp://youngjump.jp/shinman/)をチェック!

結崎さんはなげる!のここがすごい!!

シンマン賞特別企画 『編集者Presents連載作品のここがすごい!!』

(第50回 審査員:鏡ユーマ)

(C)鏡ユーマ/集英社

 

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