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漫画家のアシスタントになるには?仕事内容や必要なスキルを解説!

アシスタントの図

活躍するマンガ家さんを陰で支える「アシスタント」。存在自体はよく知られているものの、アシスタントになる方法はあまり知られていません。今回は、そんなアシスタントになるための方法から、アシスタントに必要なスキルまで、広くご紹介いたします!

 

そもそも、アシスタントとは?

マンガは、細密な絵を何枚も描いて作られます。そのため、細密な絵になればなるほど、〆切までの限られた時間内に1人で作品を完成させるのは困難になります。細密でクオリティの高い絵が求められる今、アシスタントなしでマンガを連載するのは不可能に近いと言っても過言ではありません。
そこでマンガの原稿を完成させるために、マンガ家の作画を補助するのが「アシスタント」です。

 

 

■仕事の範囲は?

キャラクターの顔などはマンガ家自身でないと描けません。そのため、アシスタントが担当するのは背景や効果線を入れる作業が主になります。具体的には、ペン入れ、ベタ塗り、ホワイト、消しゴム、トーン貼り、効果線などなどです。マンガ製作ソフトを導入している現場もあるので、場合によってはITスキルも求められます。

 

マンガ家によっては、登場人物の下書き、人物の体の線入れ、アイデア出し、洋服のデザインなども、アシスタントに依頼することがあります。また、買い物や掃除などの雑用も仕事に含まれることがあるそうです。

 

 

 

■どんな人がアシスタントになるの?
さまざまな立場の人がいます。マンガ家を目指している人はもちろん、一度デビューしたものの連載を持っていない人、アシスタントを続けすぎてベテランのアシスタントになっている人など、多種多様です。

 

アシスタントになるための素養として絵が上手いに越したことはありませんが、マンガ家によってはやる気や人柄を重視する場合もあるようです。そういった作家の希望とマッチすれば、絵が下手でも雇ってくれることもあります。

 

 

■アシスタントになるメリットは?

アシスタントとして入るマンガ家の要請に応じて絵を描くので、自分が普段描かない絵を描くことにより絵を描くスキルを上達させるには最適の仕事です。

 

またアシスタントからマンガ家に転身するケースも少なくありません。
例えば『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な荒木飛呂彦先生の弟子には、『ぬらりひょんの孫』の作者・椎橋寛氏がいましたし、バスケットマンガの金字塔『スラムダンク』の作者・井上雄彦氏の師匠は『シティーハンター』の北条司氏です。『ROOKIES』の森田まさのり氏は、『北斗の拳』の作者・原哲夫氏の弟子にあたります。

 

これらのマンガを知っているなら、「たしかに、ちょっと分かるような……」と思うかもしれません。絵の特徴や、ストーリーの設定など、師匠から影響を受けたとおぼしきところがチラホラ見えます。
このように、プロのマンガ家の一番近いところで、自分の技術を磨くことができるのもメリットの1つです。

 

『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎氏は『るろうに剣心』の和月伸宏氏や、『ジャングルの王者ターちゃん♡』の徳弘正也氏のもとでアシスタント経験をしています。

 

言われてみれば、『ONE PIECE』のバトルシーンの派手な立ち回りは、『るろうに剣心』の構図の取り方から学んだ点がありそうですし、尾田氏が持つ「人間の感情にリアリティを求める」という作品哲学には徳弘氏の思想が受け継がれているように思えます。

 

 

なお、『ONE PIECE』の原型となったのはアシスタント時代に描いた『ROMANCE DAWN』でしたが、こうした作品がプロの一流漫画家や編集者の目に触れ、アドバイスを受けられ、デビューのチャンスが与えられるのもアシスタントならではのメリットでしょう。

 

 

■どうやってアシスタントになるのか?

アルバイト情報誌や、マンガ雑誌の募集広告に募集がある場合があります。
特にマンガ雑誌には隅に小さく書いてあることが多いので、探してみましょう。マンガ雑誌の編集部に電話で募集の問い合わせをしたり、編集部にマンガを持ち込んだ際に募集しているマンガ家がいないか尋ねたり、編集部に問い合わせるのも1つの方法です。

 

なお、最近はデジタルで描くマンガ家が多いため、クラウドで画像データを共有してスキャン画像の汚れ消しやベタ、グラデーション処理などを担当するデジタルアシスタント(デジアシ)の需要が増えてきました。

 

長期のアシスタント募集情報はそのマンガ家のオフィシャルサイトやSNSでチェックできる場合がありますし、単発の緊急アシ募集などはtwitterで呼びかけられる場合もあります。

 

デジアシならどこに住んでいても働けますから、まずは気軽にチャレンジしてみませんか?

 

マンガ家が、アシスタントに求めることとは?

マンガ家の作画を補助するのがアシスタントの務めです。それでは、具体的にどんな技術が必要なのでしょうか?

 

■背景や効果線は描けて当たり前! 自分の能力はきっちり把握すべし

主に背景や効果線を描くことになるので、「集中線」「ベタフラッシュ」「カケアミ」などが自信を持って描ける程度の技術は必要です。それから、自動車や住宅、部屋など、実用的な絵をしっかり描けるとマンガ家としては助かるのです。

 

〆切りに追われるマンガの仕事は、時間との勝負です。できるだけ早く、正確に絵が描けることも大切です。時間を覚えておき、自分が何を、どれくらいで描けるのか、管理しておくことも重要です。

 

描けないことは「描けない」と言いきることも大切。むしろ、「描ける」と言って描けないことのほうが問題です。
アシスタントとはいえ、仕事は仕事。仕事をするのであれば、依頼にはきちんと答えなければなりません。絵の勉強にはなりますが、給料を貰うプロとしての意識は忘れてはいけません。
 

 

 

なお、アシスタントとしてスムーズに働くためには、「アオリ」「アタリ」「ヌキ」「マド」などの用語はひととおり覚えておきましょう。いちいち「モブってなんですか?」などと聞き返していては仕事になりません。

 

また、漫画は描いて終わりではなく、スキャンや製版の過程を経て、雑誌やコミックスに掲載されて、初めて「商品」として完成します。
たとえば「モアレがなぜ発生するのか」などといった印刷知識がなくては、商品としてのマンガのアシスタントはできないでしょう。

 

専門学校や、マンガの描き方講座などではこうしたこともキチンと教えてくれますが、独学でマンガを描いてきた人は「プロのアシスタント」としての勉強も必要なのだということを知っておいてください。

 

■挨拶は基本の基本! 技術以外で必要なこと

技術も重要ではありますが、修羅場においては技術以上にコミュニケーション能力が重要になります。極端な話ですが、時間がない状態であれば技術的にはトーン1つ貼れる人がいるだけでもありがたいものです。

 

逆に、挨拶ができなかったり、相手への気遣いや配慮に欠けたりすると問題です。ただでさえ時間に追われて気が立っている職場なのに、アシスタントが配慮に欠ける振る舞いをすればトラブルに発展しかねません。

 

一般企業やアルバイトでも、自分が働いているときに遊んでいる人がいたら腹立たしいですよね。マンガ家とアシスタントの関係も、企業とアルバイトの関係と同じ「仕事上の関係」です。

 

もちろん、健康管理も仕事のうちです。無理をして体を壊してしまえば、絵が描けなくなり、マンガ家がより困った状況に陥ります。

 

過酷な〆切に、泊り込みでの仕事もしばしばある「アシスタント」。アシスタントとして経験を積むことは、プロのマンガ家への近道ではありますが、プロになる意識を維持しなければなりません。というのも、毎日忙しい中、自分のマンガを描く時間を確保しなければならないからです。

 

 

アシスタントは、日々の勉強はもちろん、コミュニケーションに自分の時間の確保など、さまざまな努力が必要なのです。その上で、アシスタントからプロへ転身した人の作品を読むと、何だか感慨深くなりますね。

 

なにはともあれ、マンガに対する情熱が必要なのは変わりありません。自分の情熱が本物なら、プロアシスタントに挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

 

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