髪形も髪質も自由自在!立体を意識した髪の描き方

イラストをクオリティアップするための髪の描き方

髪の毛の生えている頭の形、分け目の位置など…立体的に意識することで、さまざまな角度からいろいろな髪型が描けます。キャラクターを描くときには重要な、髪の描き方についてアーティストErideyさんが詳しく解説します。

 

髪の毛はキャラクターの個性を発揮するうえでとても重要です。

想像通りの髪を描いてキャラクターの魅力をアップさせましょう!

 

1.構造とボリューム

 

はじめに、大まかに補助線を描きながらキャラクターの髪の位置を決めていきます。

 

①の線のように、つむじや髪の分け目にガイドを描くと、髪を分割するのに役立ちます。

①の線を中心に、②のように髪が流れる方向を描いていきます。

 

 

絵を描き進めながら、髪形のイメージを膨らませます。

 

このキャラクターの髪質はストレートで、肩のすぐ上でカットしたボブカットにしたいと思います。

前髪は片方の髪で目を隠して、毛先をカールさせることにしました。

 

下図のように流れの線が描けました。

このステップを取り入れることで、自分の描きたい髪の形をより明確にすることができます。

 

 

さて、頭は球体です。

それを考慮しないとイラストが平面的になってしまうため、必ず意識するようにしてください。

 

ガイドラインを使いながら見てみましょう。

 

それぞれの髪は特定のポイントから来て、異なる方向に伸びていきます。髪が長い場合は、たいてい重力により毛先は下へ落ちます。

 

 

髪の房は、その表面のカーブに沿って、ゆるやかに頭を包み込んでいます。

 

次の2つのイラストで球体と平面の違いを見てみましょう。

両方の円の周りに髪の毛を巻き付けてみました。

 

(A)は平らな形状に見えて、(B)は立体的な球体に見えます。

 

 

髪は頭に接着しません。

髪の束と束の間には、ボリュームを作る空間が常にあることを覚えておいてください。

 

  • 緑の領域①は、頭と髪の間のスペースを示しています。
  • 頭の後ろにはいくつかの髪の層②があります。ストレートな髪なので、緑の部分はほとんど影響を受けず、首の周りで非常に微妙な動きをします。
  • ボリュームは頭の両側の髪の量によって異なります。③

 

 

多くの作家は、基本的な図形を使用して髪の毛を単純化したり、ボリュームや角度を調整したりして、デフォルメする部分を選択しています。

次に、その形状の細かい部分を追加しながら決めていきます。

 

【POINT】

かわいいキャラクターイラストを描く場合でも、実際の写真や人を参考にすることをオススメします。

ヘアスタイルの写真を何枚か撮り、髪の流れがどこから来てどこへ向かっているかを確認することで、輪郭だけを描けるようになります。

 

▲アニメーションGIF

 

 

 

2.形状

 

髪の形状は、他のパーツを描く時よりも苦労している人もいるかもしれませんね。

これは髪の毛の基本的な性質を意識することで克服することができます。

 

次のポイントに注目です。

 

  • 髪全体は、多くの毛束によって構成されています。
  • 髪は、圧縮した固まりではなく、一貫して同じ形でもありません。
  • 髪は非常に軽いので、キャラクターが動く時や、風や湿度など、周囲のすべてのものが、シルエットに影響を与えます。

 

いくつかの例を見てみましょう。

 

■ストレートヘア

  1. メインの束(描画の基礎になる束)をS字の形で描画します。
  2. 内側を塗りつぶしてシルエットを作成します。
  3. 細い毛束を追加します。形状をダイナミックにするために、2と似た方向に、より大きな動きを付けるように描きます。
  4. 最後に、最初の束とは全く異なる方向に動く毛束をいくつか追加して、構成のバランスを取り、より魅力的なものにします。

 

 

 

■巻き毛

  1. 毛束は円筒形にカールします。このラインを完全にまっすぐにしてしまうと、バネのように見えてしまうので注意しましょう。
  2. リボンを描いてフォルムを単純化します。先端に近づくにつれて細くなる様子を確認してください。
  3. 2のリボンの内側を塗って分かりやすくしました。(A)
  4. カーブの方向に沿って、髪の質感を追加しました。また、表面に合わせて輪郭に凹凸を加えています。(B)

 

 

この方法を応用すれば、面白くて複雑なシルエットの髪も描けるようになります。

 

 

これらの手順で、私はキャラクターをブラッシュアップし、シンプルさを保ちながら必要なディテールを追加しました。

 

 

 

3.髪のツヤ、陰影をつける

 

光が当たる明るい部分と影になる暗い部分で色を分けて、髪の形に3Dのような立体感を与えましょう。

 

次の画像は、不規則な髪の層と、毛束の重なりで構成されたヘアスタイルです。

シルエットでは細部が伝わらないため、さまざまな部分を対比させて髪型を強調させます。

 

 

実際には以下のような手順で描き進めます。

 

  1. はじめに輪郭を描きます。
  2. 髪の流れを維持しながら、単一の方向に向かって中間調の部分を描きます。ハイライトになる部分はそのまま残しておきます。
  3. 矢印が指している重なり合う部分などに、より暗い色合いを追加します。
  4. 描き終わるまでこの工程を続けます。

 

 

深く考えず、直感的に影や光を描いても問題ありません。

「ツヤや影」も作風によって省略したり、デフォルメしたりできます。

自分の好きな描き方を追求してみてください!

 

髪質とテクスチャ

イラストにおいて、テクスチャは独特な質感を作り、表現を豊かにします。それは髪も例外ではありません。

 

たとえば、デジタルでもアナログでもテクスチャを取り入れた髪の描き方を線だけの場合と比較すると、作業を簡単にするだけでなく特別な効果を生み出すことができます。

イラストのクオリティアップのために、手元の画材で実験してみると面白いですよ!

 

どんなときにどの道具を使用すればいいか…というのを答えるのは難しいのですが、以下にヒントがあります。

それぞれの髪の質感を想像してみてください。

 

短く、ほとんど剃ったような髪は、カーペットのように感じられます。(私はいつもそう思っていました!)

そして、それを描く時は、ちくちくして尖った、とげのある見た目にするのが好きです。

 

 

ウェーブした髪の場合は、海の波のような曲線をイメージします。

生き生きとした動きのある髪です。

 

 

一方、ストレートな髪は穏やかで落ち着きがあり、シンプルでエレガントなラインが特徴です。

 

 

巻き毛はボリュームがあり、コントロールするのが難しく、クシをかけるのが困難な事もあります。

 

ふわふわで、柔らかく、遊び心があり、ゴージャスです。

 

 

テクスチャは時間を節約し、簡単に形状を複雑にしてくれます。

 

さいごに

 

これらの描き方は、さまざまな髪型を描くのに役立つ基本的なアプローチです。

 

さらに高みを目指したい場合は、ルールを破ってみてください!

 

重力を無視したり、髪型のボリュームを誇張したり、火で作られた髪を作ったりすることに、なんの問題もありません。

 

遊びながら新しいものを生み出すことで、可能性は広がります。

この記事が役に立てば嬉しいです。

 

私の作品に興味を持っていただいたら、以下のリンクからSNSとポートフォリオにアクセスしてみてください。

 

https://www.instagram.com/eri_duh/
https://twitter.com/eri_duh
https://www.artstation.com/eridey

 

読んでいただきありがとうございました!

 

Eridey

 

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