【ゲームのお仕事!】サムザップ アートディレクター/2Dイラストレーター 竹田 龍一インタビュー

【ゲームのお仕事!】サムザップ アートディレクター/2Dイラストレーター 竹田 龍一インタビュー

ゲーム業界のアートディレクター/2Dイラストレーターを目指す人へ。『呪術廻戦 ファントムパレード』などを手がけるサムザップ・竹田龍一さんが、ゲームイラスト制作、アートディレクションの考え方、学生時代の進路選択、仕事の魅力を語ります。

プロフィール



竹田 龍一(たけだりゅういち)
アートディレクター/2Dイラストレーター
デザイン系専門学校を卒業後、制作会社を経て、サムザップに入社。『戦国炎舞 -KIZNA-』、『この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ』、『呪術廻戦 ファントムパレード』など様々なタイトルで、アートディレクター/2Dイラストレーターを担当。

自社タイトルと版権タイトルで変わる、ディレクションの考え方

竹田 イラストレーターとしては、ゲームに登場するキャラクターのイラストを描いています。「開催まであと○日」のような、Xに載せる1枚絵だけでなく、UIやアニメーション用の細かな素材を描くこともあります。

現在はディレクター業務がメインで、社内外のイラストレーターさんに描いていただいたイラストをチェックし、ゲームの世界観や見た目の方向性を整える役割を担っています。


自社タイトルと版権タイトルではディレクションの考え方にも違いがあり、例えば『戦国炎舞 -KIZNA-』(以降、『戦国炎舞』)は自社オリジナルタイトルなので、いろんな作家さんに発注し、あえてテイスト統一を強くしすぎず、作家性を活かす方向でディレクションしています。


一方で原作がある作品は、その作品の世界観や設定、ビジュアルやテイストを踏まえながら細部に至るまでより厳密に確認する必要があります。

竹田 イラスト制作は絵を描くことが中心ですが、ゲームの現場では「ただ描くだけ」では成立しません。

特にアニメーション前提の素材はルールが細かく、パーツ名や干渉する箇所の制約など、決まりを守って作る必要があります。

髪の毛も一本単位・束単位で分けることがあり、細かい作業で根気は要りますが、丁寧にパーツを分けて動かすことで臨場感が出せるので、クオリティの土台になる部分だと思っています。


ディレクション業務は判断する場面がとにかく多いので、提案がNGになったときに「ではこういう案はどうか」と代替案を出せる引き出しの多さや、物事を前に進める推進力、チームを引っ張るリーダーシップが重要だと感じています。

得意不得意を認めることで見えた道

竹田 絵は物心ついた頃からずっと描いていました。小学生の頃って「こいつずっと絵描いてるな」みたいな子がいると思うんですけど、まさにそんな感じでしたね。誕生日プレゼントにA4のコピー用紙を頼んだこともありました(笑)。

図工のコンクールに出して入賞し、作品が飾られた経験がすごく嬉しくて、「やったぜ!!」みたいな快感が強く残っています。
今思えば、好きで描くことと評価される体験が重なったことで描き続けられたんだと思います。

竹田 当時は「大学に進学するのが当たり前」みたいな空気があったんですが、勉強したくなくて(笑)。
親と先生に「得意なことを伸ばして、それで食べていきたい」と相談しました。先生には止められましたが、親が背中を押してくれたことが大きかったと思います。

きっかけのひとつは、在籍していた卓球部で感じた「得意不得意」です。同じ時間練習しても周りが自分より上手い。
どうしてだろうと考えたときに「人には得意不得意がある。自分は卓球が苦手なんだ」と気付きました。
だったら「得意なこと=絵」を頑張ろう、と振り切れました。

竹田 ゲーム系の進路に進むと決めてからは、ポートフォリオも「架空のゲーム」を設定して、キャラクター・世界観・背景をまとめ、ガイドブックのように作りました。実際の業務に近い形にすることで、働いている姿をイメージしてもらえたのは大きかったと思います。

特にオリジナルキャラクターの設定に興味を持ってもらえることが多かったですね。

また、技術だけでなく「共感性を生むイラストが描けるか」が大事だと思います。キャラクターが何をしているのか、誰に向けて描いているのか、どういう状況なのか。自分の中で説得力を持って描いた絵は、人の目に留まりやすいです。

それと、上手い人ほど日常から観察し、発見を拾っている人が多いです。

例えば、先日アイススケートに行ったのですが、リンクは遠目に見ると真っ白で綺麗に見えるのに、近づいてみると表面には細かなひび割れや穴ぼこ、削れた跡のザラつきがあって、思っていたよりずっと生々しい質感だったり。

夕日がリンクに反射する中、スカートの裾からスウェットパンツを覗かせた女子高生グループが何度も転びながらも笑い合っている様子に「青春っぽさ」や「エモさ」を感じたんですが、そういう瞬間に「なぜ良いと思ったのか」まで分析して絵に落とし込めると強いと思います。

泣きながら描きました

竹田 小学生の頃にハマっていたカードゲームの影響が大きいです。ルールは分からないのに絵が見たくてカードを買って、模写したり、オリジナルキャラクターを描いたりしていました。
そのとき初めて「この絵、誰が描いてるんだ?」と調べ、「イラストレーター」という職業を認識した瞬間でした。

そしてありがたいことに、後に『戦国炎舞』でその先生と関わる機会もありました。
また、『呪術廻戦』や『この素晴らしい世界に祝福を!』のような大人気タイトルに関われるのは、企業所属ならではだと思います。

竹田 『この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ』がサービス終了した時の話です。
もちろん「残念」という声もありましたが、「今までありがとう!このゲームに出会えて本当に良かった!」といったポジティブな反応が多かったのが印象的でした。

開発期間を含めて6年近く関わっていたこともあって、ユーザーのあたたかい反応が本当に感慨深くて、「お金をいただく立場でありながら、こんなにも気持ちが満たされる経験をしていいのだろうか」と思うくらいでした。

自分がやり切ったことに対して、ユーザーから反応が返ってくる。その事実自体がすごく心に残りました。
エピローグイラストを担当したのですが、実は泣きながら描きました。

人生に影響を与える、夢のある仕事

竹田 絵を描くのは趣味なら簡単ですが、仕事にするならクライアントの要望があり、使用用途があって、周囲の人と連携しながら進める「報酬を伴う仕事」になります。その意識は学生のうちから持っておくといいと思います。

一方で、自分の絵がゲームの一部になって、人の人生に影響を与えることもある。夢がある仕事です。
やりがいは本当に大きいので、ぜひ目指してほしいです。

竹田 好きな機能は[ゆがみ]ツールです。実装される前は他ソフトで代用していたので、「待ってました!」という感じでした。
あと、複数レイヤーを選択したまま、[投げなわ選択]ツールで囲ってから[自由変形]できるのも便利で、かなり使います。動作も快適です。

日本の企業が作っているというのも強いですね。何かわからないことがあっても、日本語で検索して解決できるのはありがたいです。

告知情報

呪術廻戦 ファントムパレード

対応OS:iOS/Android

ジャンル:RPG
価格:基本プレイ無料(一部有料コンテンツあり)
配信日:2023年
公式サイト:https://jujutsuphanpara.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/jujutsuphanpara
アプリDLQRコード:

  • twitter
  • LINE
  • Pinterest
  • Facebook
  • URL Copy
CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定第18回受験申込み受付中
  • twitter
  • LINE
  • Pinterest
  • Facebook
  • URL Copy