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自分を表現するテーマを見つけよう!松原利光先生の『リクドウ』創作秘話

「リクドウ」松原利光先生白熱教室

新人作家がプロの先生に悩みと質問をぶつける特設企画! 今回は週刊ヤングジャンプで『リクドウ』を連載中の松原利光先生に漫画作りの”極意”を伺います。松原先生の新人時代から『リクドウ』までの歩みを赤裸々に答えていただきました!

 

松原先生の新人時代

 

管原: 初掲載の読切作品「フリーダム・スマッシュ」は卓球漫画でしたが、どういう経緯で題材を決められましたか?

 

松原先生(以下、松原): 打ち合わせで「松原くんは何やってきたの?」と聞かれました。

過去に卓球をやっていた経験があったので、その打ち合わせで話題にのぼった卓球を題材に…という流れです

 

自分の中に(競技)経験や思い入れのあるものの方が、いざ漫画にするときリアリティも出せますし、細かい部分も想像しやすいので、余計な苦労は少ないですしね。

 

▲YJ増刊漫革掲載『フリーダム・スマッシュ』

 

 

波場: 2作目の、クレー射撃が題材のCOMBAT QUEEN BEEも、松原先生がやっていた競技を題材にしたのですか?

 

松原: いえ、クレー射撃は全くやったことがありませんでした。

 

射撃というより自分は銃が好きでして、『COMBAT QUEEN BEE』に関しては、それがキッカケですね。

銃を使って何かやるとすれば、「射撃」かな?という考えで描いてみたんですが…今思うと、ちょっと安易だったかな…と。

 

競技経験がない分、「この競技の面白さはココ」と実感をもって表現するには曖昧な部分が多かったので、この作品ではキャラクターで勝負するしかないと思って描いた記憶があります。

 

ミラクルジャンプ掲載『COMBAT QUEEN BEE』

 

 

「リクドウ」創作前夜

 

波場: 自分は『リクドウ』第1話の父親をサンドバッグにしているシーンが凄く衝撃的だったんですが、『リクドウ』はど ういう経緯で生まれましたか?

 

松原: ある時、担当さんに「何か人生に不満とかないんですか?」と間かれました。

それまではどうしても綺麗事というか、明るい・楽しい面ばかり漫画にしていたんですけど、逆に不満・愚痴レベルのことですが「負の感情ばかり書いて吐 き出しているうちに、リクドウの冒頭4ページが出来上がりました!

 

その「負の感情」こそが、一番自分を素直 に表現できるのかな…と今になって思います。

リクドウ』はそれがスタートです。

 

担当さんに「ようやくフルスイングができたね」と言って貰ったのが、印象に残っていますね。

 

▲『リクドウ』冒頭4ページ。この4ページで作品世界の強烈さが伝わってくる。

 

 

岩井: そういう「負の感情」は、前々から抱いていたのですか?

 

松原: そうですね…僕自身あまりモテない人生を送ってきて、児童虐待とかの問題にも不満を持っていました。

安直ですが「何でモテる人が彼女もできて、子供も産んで、せっかく生まれた子供を虐待するんだよ!」みたいな感情です。

社会にそういう問題があるのは皆さんもご存知だと思いますが、自分は虐待された子供の”その後・つづき”の人生を、なぜ誰も描かないのかずっと不思議でした。

 

その”つづき”を描かなきゃいけないんじゃないのか…という気持ちがあったんですかね。

 

元々リクみたいな、リングの上でしか自分を表現できない主人公・その世界でしか生きていない不器用な主人公が好きだったのもあります。

そういうタイプの主人公はとんでもない闇を抱えていないといけないというのもあって、リクのキャラクター像やエピソードが出来ていきました。

 

つまり、自分の好きな主人公って何だろうというのを追求したらリクになった訳ですが、そこまで主人公を深く考えるのは、読切の時はできていなかったなと思います。

 

 

<作家紹介>

松原利光
ヤングジャンプ月例賞にて、「GUN BEAT」が期待賞を、「領域の守護神(ガーディ アン)」が奨励賞十月間ベスト賞+審査員特別賞を受賞。
のち増刊ミラクルジャンプ などで複数の読切作品掲載後、2014年からヤングジャンプで「リクドウ」を連載開始。
圧巻の戦闘描写、心を挟る強烈な人間の生き様が好評を博している。

 

  

波場章史(左)

怪獣がいっぱい』でシンマン賞にて佳作を受賞。YJ14号に『素晴らしきラプラス」(シンマンGP作品)を掲載。

連載に向けネーム制作中。

 

菅原カルキ(中央)

『魔法女装年●あくる』がシンマン賞期待賞、『いばらのリベラシオン』が佳作受賞。MJ5月号に『2 周目の君』掲載。
読切掲載に向けネーム制作中。

 

岩井十輝(右)

『悪喰の色男』がシンマン賞期待賞を受賞。
シンマン賞で佳作以上受賞、そしてデビューを目指してネーム制作中。

 

※本記事は集英社週刊ヤングジャンプ公式サイト内の月例新人漫画賞【シンマン賞】特別企画、『人気漫画家に学ぼう!』松原利光先生へのインタビュー第一週を特別掲載しました。

 

第2週~第5週でも引き続き松原利光先生が妥協を許さない白熱した授業を展開します!気になる続きはhttp://youngjump.jp/shinman/)をチェック!

シンマン賞特別企画 『人気漫画家に学ぼう!』 

(第36回 審査員:松原利光 新人漫画家:波場章史、菅原カルキ、岩井十輝)

(C)松原利光/集英社 (C)波場章史/集英社 (C)菅原カルキ/集英社 (C)岩井十輝/集英社

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