横顔・斜め顔の描き方|顔の比率と立体的に見せるイラストのコツ
横顔・斜め顔の描き方を初心者向けに解説。顔の比率、アタリの取り方、目・鼻・口・耳の位置を押さえて、自然で立体感のある顔を描くコツを紹介します。女性・男性の描き分けや、デジタル作画で役立つ確認方法も解説します。
目次
1.横顔・斜め顔を上手に描くポイント
横顔や斜め顔を自然に描くには、まず「顔の比率」を決めることが大切です。
最初に顔の比率を決めてから目・鼻・口・耳を配置すると、パーツの位置がズレにくくなります。
また、横顔ではシルエット、斜め顔では奥行きやパースを意識することで、のっぺりとした印象を防ぎやすくなります。
「正面顔は描けるのに、斜め顔になると急に違和感が出る……」
「横顔を描くとのっぺりして見える……」
そんな悩みを持つ初心者の方に向けて、この記事では横顔・斜め顔を自然に描くためのポイントを分かりやすく解説します!
- 横顔・斜め顔の基本比率
- アタリの取り方
- 立体的に見せるコツ
- 男女の描き分け
- CLIP STUDIO PAINTの便利な機能

2.顔を立体的に描くには?頭を箱で考えよう
最初は「目はこの辺り」「鼻は真ん中」など、パーツの位置を意識することから始めましょう!
ただ、それだけでは違和感のあるイラストになってしまう場合があります。
なぜなら、顔を立体として捉えられていない可能性があるからです。
顔は平面ではなく、立体の組み合わせです。
箱で考えてみよう
立体感を理解しやすくするために、最初は頭を箱型で考えてみましょう。
箱で考えると、「顔のパーツ」ではなく「頭の向き」を先に捉えられるようになります。
斜め顔で目や口の位置がズレて見える原因の多くは、パーツそのものではなく、頭の向きや側面の見え方を決めないまま描き始めていることです。
箱は向きによって、見える面が変わります。
- 正面に近いほど、正面が大きく見えて側面は見えにくくなる
- 横顔に近づくほど、正面は細くなり、側面が大きく見える
この変化は顔にも同じように起こります。
こうした変化を理解するためにも、まずは頭全体を大きな箱型として捉える習慣をつけましょう。

3.横顔・斜め顔のアタリの取り方
ここからは、横顔と斜め顔を描くときのアタリの取り方を解説していきます。
いきなり目や髪を描き始めると、バランスが崩れやすくなります。
まずは簡単なアタリから描きましょう。
①頭のベースになる円を描く
最初に、円を描きます。この円が頭蓋骨のイメージになります。
この時点ではきれいに描く必要はありません。

②顔の中心線を描く
「中心線(正中線)」を描きます。中心線とは、顔の中央を通る線のことです。
この線を左右にずらして、顔の向きを決めます。

③目・鼻・口・耳の補助線を描く
円の上から顎先までを下図のように5等分します。
この5本の補助線が、顔のパーツを配置する目安になります。
- ① つむじ
- ② 髪の生え際
- ③ 目
- ④ 鼻の下
- ⑤ 顎先

次に、円の中心に十字線を入れましょう。

斜め顔を描くときは、顔の側面を表す補助線も描きましょう。
斜め顔では、顔の正面だけでなく側面も見えます。
この補助線を入れることで立体感を意識しやすくなり、耳の位置を決める目安にもなります。

ここからは男女それぞれの特徴を意識しながら横顔と斜め顔の描き方を紹介します。
4.女性の横顔の描き方
斜め顔よりも比較的シンプルに描きやすい、横顔の描き方から解説していきます。
横顔を描くときは、まず頭の円と中心線でアタリを取り、目・鼻・口・耳の位置を補助線で決めます。
横顔では顔のシルエットが印象を大きく左右するため、おでこから鼻、口、顎までの流れを自然につなげることが大切です。
おでこ~鼻を描く
まずは、②〜③の補助線にかけて、円に沿うようにおでこを描きます。

おでこの頂点付近から縦の補助線を下ろします。
④の補助線あたりが、鼻の下になるように鼻を描きます。
横顔では、鼻先のシルエットが印象を大きく左右します。
三角形のように尖らせるのではなく、おでこから自然につながる流れを意識します。

口~顎を描く
口元と顎を描きます。
中心線とおでこの中間あたりに補助線を引き、⑤の補助線付近に顎先を配置します。
鼻から顎へ向かってラインをつなぎ、その途中に口を描きましょう。
唇は、④の補助線より少し下あたりを目安にします。

POINT
口元を描くときは、Eラインを意識してみましょう。
「Eライン(イーライン)」とは、「エステティックライン(esthetic line)」の略称で、「鼻先〜唇〜顎」を結ぶラインのことです。
へこんでいたり、顎が前に突き出しすぎたりしないように、Eラインを意識して描くときれいな横顔に見えます。

目と眉を描く
目を描きます。
上まつ毛は③の補助線あたり、下まつ毛は③〜④の補助線の間に配置します。
目の横幅は、おでこから中心線までの中間あたりに収まるように描くとバランスが取りやすいです。

眉は、②〜③の補助線の間に描きます。

耳・輪郭・首を描く
耳は、円の十字線から生えるように描きます。
高さは、③〜④の補助線の間を目安にします。
横顔は耳がよく見えるため、位置がズレると違和感が出やすくなります。

耳の下から顎先へ向かって線をつなぎ、顔の輪郭を描きます。

首は、顎の少し上あたりから描きます。
円の十字線と中心線の、中間あたりから描き始めましょう。

髪の毛を描く
髪は、頭蓋骨に沿って描きます。
横顔では、つむじ付近を境目に前髪と後ろ髪を分けると描きやすいです。

また、髪を頭にぴったり付けるのではなく、少し浮かせて描くと自然な印象になります。

うなじを見せたいときは、後ろ側の首も描きます。耳の付け根と後頭部の中間あたりから描きましょう。
高さは、唇あたりを目安にします。

5.男性の横顔の描き方
男性の横顔を描くときも、まず頭の円と中心線でアタリを取り、目・鼻・口・耳の位置を補助線で決めます。
パーツを女性よりやや高めに配置し、平らなおでこや通った鼻筋など全体的に直線的なシルエットを意識することで、シャープでかっこいい印象に仕上がります。
おでこ~鼻を描く
女性と同じように、まずは②〜③の補助線にかけて、おでこを描きます。
男性らしい印象にしたい場合は、丸みを抑え、少し平ら〜やや凹むくらいにします。

おでこから縦の補助線を下ろします。
④の補助線が鼻の下になるように鼻を描きます。
鼻筋をまっすぐ・大きめに描くと男性らしい骨格感が出ます。

口~顎を描く
口元と顎を描きます。
中心線とおでこの中間あたりに補助線を引き、⑤の補助線付近に顎を配置します。
鼻の下から顎へ向かってラインをつなぎ、その途中に口を描きましょう。
唇は、④の補助線より少し下を目安に描きます。
顎を長めに取ると幼さが薄れて、顔立ちが引き締まった印象になります。

目と眉を描く
目を描きます。
上まつ毛は③の補助線あたりに配置します。
下まつ毛は、③〜④の補助線の間の、上から1/4あたりを目安に描きましょう。
目は、おでこから中心線までの中間あたりに収めるとバランスが取りやすいです。

眉は、③の補助線より少し上に配置します。

耳・輪郭・首を描く
耳は、円の十字線から生えるように描きます。
高さは、眉と鼻先のやや上あたりの位置に収めます。

耳の下から顎先へ向かって線をつなぎ、輪郭を描きます。
エラ部分に角を付け、直線を意識すると骨格感が出ます。

首を描きます。
耳の付け根と中心線の中間あたりを目安に、顎より少し上から描き始めます。
のどぼとけや首筋の筋肉をしっかり描くことで、男性らしい印象になります。

髪の毛を描く
髪は、頭蓋骨に沿って描きます。
髪のシルエットに直線的なメリハリを意識して描くと、シャープでかっこいい印象になります。
うなじは、鼻先あたりの高さから描きはじめ、後頭部より少し内側で描き終わると自然な太さになります。

後頭部より前髪側にボリュームを出すと、メリハリのある横顔になります。

▽リアル寄りの横顔を描きたい方は、「横顔の描き方」の詳しい解説記事も参考にしてみてください。

6.女性の斜め顔の描き方
次は、斜め顔の描き方を解説していきます。
斜め顔を描くときは、顔の正面と側面を意識してアタリを取ります。
手前側の目や口は大きく、奥側はパースで少し小さく見えるため、左右のパーツの大きさに差をつけると立体感が出ます。
輪郭と首を描く
まずは、おでこを描きます。
②〜③の補助線に沿って、円の丸みに合わせて描きましょう。
女性らしい印象にしたい場合は、全体的に丸みのあるラインを意識します。

次に、頬から顎へラインをつなげます。
①頬骨の位置を軽く取ります。
②顎へ向かってスッと線を引きます。
③顎から側面の補助線へ向かって、丸みのある線でつなげます。

最後に首を描きます。
首は細めに、「J」のカーブを意識します。

目を描く
土台ができたら、顔のパーツの比率を確かめていきます。
顔の印象を大きく左右する目の位置から描いていきます。
頭頂部から顎先までの半分あたりが、目の高さの目安になります。
まず、③の補助線に上まつ毛を描きます。

手前側の目は、中心線から側面の補助線までを4等分した時、中心線から1/4程度の位置から描き始めるとバランスが取りやすくなります。
目と目の間の距離は、中心線から手前側の目頭までの距離を「1」として、その半分程度を目安にすると自然な奥行きが出ます。

奥側の目に少しまつ毛の厚みを描くと、一気に立体感が出ます。
特に目尻側は顔の側面へ回り込むため、まつ毛の裏側が少し見えます。

奥側の目は、パースによって横幅が小さく見えます。
手前を「1」とすると、奥側は「0.7」くらいを目安にします。

イメージとしては、以下のような感じです。
- 目頭側 → 正面に近い
- 目尻側 → 側面へ回り込む

下まつ毛は、③と④の補助線の中間あたりに描きます。

瞳と二重を描きます。
瞳も奥側を手前側より少し細く、縦長気味に描きます。

目の中にも比率があり「どこが一番高くなるか」を意識して描きます。
中央あたりが一番高くなるようにします。

目を横に3分割した時、「目尻側は②から下がる」「目頭側は①から下がる」ようにすると自然な目の形になります。

POINT
「つり目」を描きたいときは②を高くし、「たれ目」を描きたいときは①を高くします。

眉は、②と③の補助線の間から描きはじめます。

▽目の立体感やまつ毛の描き方を詳しく知りたい方は、「立体的な目の描き方」の記事もあわせてご覧ください。

その他のパーツ(鼻・口・耳)を描く
鼻は、④の補助線が「鼻の下」になるように描きます。

口は、④の補助線から顎までの上から1/4くらいの位置に描きます。
唇に少し厚みを付けると、女性らしい印象になります。

斜め顔では口にもパースがかかります。
「奥側:1」「手前側:2」くらいの横幅比率にすると自然です。

耳は、側面の補助線と首のラインが交わるあたりに描きます。
高さは、③まつ毛〜④鼻の下くらいが目安です。
耳の形は丸みを意識し、耳の中の線を描き込みすぎないようにします。

髪の毛を描く
中心線の一番上にあるつむじ付近から、頭蓋骨の丸みに沿うように髪を描いていきます。
円にぴったり沿って描くと髪のふんわり感がなくなってしまうため、少し距離を空けるのがポイントです。
また、前髪は②の補助線を目安に描きはじめの位置を決めます。

目・鼻・口・耳の位置を整え、髪を描き込めば、 斜め顔が完成しました!

7.男性の斜め顔の描き方
男性の斜め顔を描くときも、顔の正面と側面を意識してアタリを取り、各パーツを女性よりやや高めに配置します。
輪郭は直線的に描き、顎やエラ、鼻筋をはっきりと描くことで、男性らしい印象にできます。
輪郭と首を描く
男性らしい印象にしたい場合は、女性より直線的に描くのがポイントです。
①おでこは少し平面的に描きます。
②頬骨から顎に向かって線を描きます。
③顎のラインをはっきり描きます。
④顎から耳へ向かって輪郭をつなげ、エラを少し張らせます。

首は太めに、短い直線をつなげるイメージで描くと力強さが出ます。

目を描く
やや高めに配置すると大人っぽい印象になります。
まずは③の補助線に上まつ毛を描きます。

手前側の目は、中心線から側面の補助線までを5等分し、中心線から1/5程度の位置から描き始めるとバランスが取りやすくなります。

下まつ毛は、③と④の補助線の間を4等分し、上から1/4あたりに配置します。

最後に、瞳・二重・眉を描きます。
眉は、③の補助線より少し上に配置します。
②と③の補助線の下から1/4あたりを目安にすると、バランスが取りやすいです。
眉は丸みを抑え、目尻を上げ気味にすると、凛々しさが出ます。

その他パーツ(鼻・口・耳)を描く
基本の比率は女性と同じです。
鼻筋を長めにはっきり描くと男性らしい印象になります。
眉間に少し線を入れると、鼻筋が通っているように見えます。

口は女性より横幅を広く、厚みを控えめにします。

男性の場合は口の横幅が広いので、奥側1:手前側3くらいの比率にします。

耳は側面の補助線からエラ付近にかけて配置します。
大きさは、眉から鼻先付近までを目安にします。

髪の毛を描く
男性の場合も、基本的な描き方は同じです。

8.横顔・斜め顔を描くときに便利なCLIP STUDIO PAINTの機能
斜め顔や横顔は、バランスや立体感を取るのが難しく、慣れるまでは違和感が出やすい部分です。
そんなときは、デジタルならではの便利な機能を活用してみましょう。
ここでは、斜め顔や横顔を描くときに役立つ、CLIP STUDIO PAINTの便利な機能を紹介します!
3Dデッサン人形・3D頭部モデルを参考にする
左右に角度をつけた斜め顔や横顔が描けるようになってくると、次はアオリ・フカンにも挑戦したくなりますよね。ただ、上下に角度がつくと、一気に難易度が上がります。
CLIP STUDIO PAINTには、3Dデッサン人形や3D頭部モデルが用意されています。
これらを使うことで、難しい角度でも実際の立体を認識しながら描けます。

3Dデッサン人形など、対応している3D素材には「3Dテクスチャペイント」で直接アタリを描き込むこともできます。
対応素材を確認しながら、立体感を理解する補助として活用しましょう。

最初は3Dモデルをそのままなぞるだけでも十分です。
▽3Dテクスチャペイントの使い方について、詳しくはこちらの公式TIPS記事をご覧ください。
https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/10495
左右反転で顔のゆがみを確認する
斜め顔を描き終えたら、最後のバランスを確認しましょう。
斜め顔は、気づかないうちに目や口の位置がズレやすくなります。
違和感に気づくためには、「左右反転して見る」方法がおすすめです。
人は同じ絵を見続けると、ズレや違和感に気づきにくくなりますが左右反転して見え方を変えると、顔のゆがみやバランスの崩れを見つけやすくなります。
CLIP STUDIO PAINTでは、ナビゲーターパレットの「左右反転」をオンにすると、キャンバスに表示されている画像を左右反転して確認できます。

▽ナビゲーターパレットの使い方について、詳しくはこちらの公式TIPS記事をご覧ください。
https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/684
「ゆがみツール」でバランスを調整する
「おでこが出すぎている」「顎の位置がズレている」などの違和感があるときは、最初から描き直さなくても大丈夫です![ゆがみ]ツールを使えば、バランスを微調整できます。

▽ゆがみツールの使い方について、詳しくはこちらの公式TIPS記事をご覧ください。
https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/5811
まとめ
横顔や斜め顔は、最初は難しく感じやすい角度です。
まずは中心線や補助線を使って、目・鼻・口・耳の位置を決めましょう。
横顔では顔全体のシルエット、斜め顔では奥側の目や口のパースを意識すると、顔に立体感が生まれやすくなります。
慣れないうちは、CLIP STUDIO PAINTの機能も活用しながら、少しずつバランスを整えていきましょう!









